発電するホイールで広がるクルマの未来
そのブース中央に置かれているのが、回転するタイヤ。手前に置かれたモニターには電圧などの情報が表示されている。
なんとホイールで発電することができる技術「TOPY GREEN WHEEL TECHNOLOGY」を発明したのだ。
発電の元になっているのはホイールのひずみ。ホイールというのは路面からの入力に応じて、わずかに変形している。ホイールを設計するということは、そのひずみをコントロールすることでもある。であれば、ホイールのトップメーカーとしてひずみを利用することはできないか? ということで研究が進められ、発電するホイール技術が生み出された。
驚くのは、その開発スピードで、「2020年からはじまった研究により、ホイールのひずみを圧電素子によって電気に変換する技術が確立されました。まだ始まったばかりの新テクノロジーゆえにさまざまな可能性はありますが、たとえばタイヤ空気圧を検知するTPMSに電力供給するという使い方が考えられます」と執行役員で事業開発戦略センター長の加納愛仁さんは語ってくれた。
さらに、これはホイールのIoT化にもつながる技術だ。ホイールが発電することでタイヤ内側においた各種センサーの情報を得ることができるようになれば、タイヤのパンクを遠隔検知したり、ホイールの寿命を判断したりといったことも可能になる。自動運転やシェアリングが進むCASE時代において欠かせない技術となりそうだ。
そのほかにも、トピー工業のブースには注目すべき新世代ホイールへの提案を見ることができる。
EV時代のスチールホイールとして空力を意識したカバーをつけたもの、トラック用ホイールをカラフルにする技術なども見逃せない。アルミホイールについても切削技術によって見る角度で反射光が変化するという新表現も提案している。
また、大手自動車メーカーに納めている純正ホイールも展示されている。かなりプレミアムなモデルのホイールだが、どんなクルマに採用されているのか自動車好きであれば一発でわかるだろう。
乗用車ではアルミホイールが過半数というのが現実で、「スチールホイールというのは安い以外にメリットがない」と思っているユーザーも多いかもしれないが、じつは16インチ以下であれば現時点でもスチールホイールのほうが軽量に作ることができる。さらに、スチールとアルミのリサイクル率を考えると、サステナブルなホイール素材としてはスチールのほうが圧倒的に有利でもある。EV時代だからこそスチールホイールの時代がやって来るかもしれない。
ジャパンモビリティショーで、未来の自動車を考えるならば、スチールホイールのトップブランド「トピー工業」のブースを見逃すわけにはいかないのだ。
ちなみに「ジャパンモビリティショー2023」の会期中、トピー工業ではSNSキャンペーンを実施中。「X(旧Twitter)」で同社のアカウントをフォローしていることを確認できる画面をブースで提示すれば、専用パッケージのオリジナルブラックサンダーをプレゼントしている。
「ジャパンモビリティショー2023」を訪れた際は、トピー工業の公式アカウントをフォローしてオリジナルブラックサンダーをゲットしていただきたい。