なんと発電するホイールを発明! ホイール界の巨人「トピー工業」が今の時代「押さえておくべき企業」だった (1/2ページ)

素材を知り尽くすスチールホイールのトップメーカー「トピー工業」

 WEB CARTOPを見ていただいているクルマ好きの皆さんであれば「トピー工業」という名前に見覚えはあるだろう。なにしろ、国内におけるバス・トラック用スチールホイールのシェアは93%を誇るトップ企業なのだ。自動車業界では知らぬものがいないホイール界の巨人といえる企業である。

ホイールの未来と夢がつまってる「トピー工業」のブースがおもしろい

 その歴史は古く、前身となった企業のひとつである宮製鋼所の設立は1921年であり、2021年には創業100周年を迎えている。これまた、前身となった企業の車輪工業は「第一回全日本自動車ショウ」にブースを構えていたという。まさに日本の自動車史に欠かせない企業といえる。2023年のジャパンモビリティショーにおいてトピー工業が、自動車メーカーと並んでブースを構えているのは必然であり、当然といえる。

 さて、トピー工業という会社が生まれたのは1964年のこと。前述した車輪工業ほか東都製鋼、東都造機、東都鉄構の4社が合併した際に、「それぞれの分野でトップ企業になりたい」という思いを込めた「TOP」に、ヤングやユースといた若い力をイメージさせる「Y」を加えて「TOPY(トピー)」という造語を生み出し、それを社名としたという。

トピー工業のロゴ

 冒頭でも記したように、国内でのバス・トラック用スチールホイール分野では圧倒的なトップであるほか、建設機械などに使われる履板・履帯(クローラ部品)においても国内シェアは71%とトップ。乗用車用スチールホイールにおいても国内シェアは55%とトップとなっている。まさにトピー工業と名付けた際の思いを有言実行している。

 さらに鉱山で使われる巨大なトラックが履く超大型ホイールにおいては世界シェア90%と、もはや世界的にも欠かせない企業となっているのがトピー工業なのである。

ホイールの未来と夢がつまってる「トピー工業」のブースがおもしろい

 その特徴は、「鉄をつくり、鉄をこなす」ビジネスモデルにある。具体的にいえば、環境にやさしい電炉により鉄をリサイクルする素材部門と、自動車用ホイールなどを製造する加工部門がトピー工業のなかに存在しているということだ。通常、素材メーカーと加工メーカーは別会社となっていることがほとんどであり、トピー工業のように素材から製品まで一貫生産を実現している企業は珍しい。

ホイールの未来と夢がつまってる「トピー工業」のブースがおもしろい

 見方を変えれば、鉄という素材の特性について知り尽くしているのがトピー工業といえる。もちろん、乗用車では主流になっているアルミホイールについても自社生産を行っている。自動車用ホイールについていえば、スチールホイールを年間1800万本製造、アルミホイールは年間500万本を製造するという規模だといえば、どれほど大きな会社であるかわかるだろう。主に純正ホイールを製造しているので、意識せずとも、その製品に触れていることも多いはずだ。

 そんなトピー工業の自動車用ホイールについての幅広い知見と提案を見ることができるのが、「ジャパンモビリティショー2023」の同社ブースだ。

「ジャパンモビリティショー2023」のトピー工業のブース

 出展スローガン「Regeneration Circle~明るい未来へ向けて、繋がり広がるTOPYの輪~」。一貫生産を実現しているトピー工業だからこそ実現できる鉄の循環型ビジネスと、新世代ホイールの可能性をアピールするという思いが込められている。

ホイールの未来と夢がつまってる「トピー工業」のブースがおもしろい


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

愛車
スズキ・エブリイバン(DA17V・4型)/ホンダCBR1000RR-R FIREBLADE SP(SC82)
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モトブログを作ること
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