ゴージャスな気分に浸れる室内空間
ミニバンのコンフォート性能を大きく左右するインテリアに目を移すと、10.25インチの大型液晶パネルをはじめ、センターには15.6インチのカラーディスプレイを設置した。エアコンやオーディオなどは、すべてタッチパネル機能がついたディスプレイで操作が可能となり、物理スイッチはほとんど省かれている。全席が独立したシートは、ダイヤモンドステッチによるキルティングが施され、座り心地はもちろん、ゴージャスな気分に浸れること請け合いだ。オーディオシステムも試聴こそ叶わなかったが、アメリカのダイナオーディオ製のハイエンドスピーカーをインテグレートしているので、エンタメ機能も万全といったところ。
また、BYDはシャシー、とりわけ足まわりの開発に余念がないことでも有名。D9に新規採用となった「DiSusインテリジェントボディコントロールシステム」は、乗り心地の良さ、究極のフラットライドを目指したもので、車高の高いミニバンでもフワフワしない走りを実現したとされる。なお、駆動方式はすべて4輪駆動が採用され、走行可能距離は満充電で800kmという優秀なデータを誇る。
すでに中国では10万台以上が売れているというD9だが、45万元(およそ920万円)というゴージャスなわりにリーズナブルな価格も奏功しているに違いない。現在、日本導入の予定はないとのことだが、モビリティショーの反響いかんでは「打倒アルファード」のかけ声とともに上陸してくる可能性も否めない。リッチなミニバンのマーケットはますます充実してきそうだ。