フェラーリやランボやベントレーを「変身」させて大ウケ! フェラーリから訴えられるほどの存在感「アレス・デザイン」って何もの? (2/2ページ)

パンテーラと250GTOを再解釈した新提案で大バズり

 たとえば、かつてベントレーの4ドアサルーンの頂点に君臨したミュルザンヌをベースに製作された2ドアモデル、「ブルックランズ2」には、オリジナルのシートアレンジとホイールベースを生かしたまま流麗なクーペデザインが与えられている。

アレス・デザイン・モデナ社の「ブルックランズ2」のフロントスタイリング

 メルセデス・ベンツのG63がベースとなる「デザインXレイド」は、ボディ素材をカーボンファイバーへと改めたことで車重を200kgも低減。

アレス・デザイン・モデナ社の「デザインXレイド」のフロントスタイリング

 また、そのディテールで独自のデザインを採用したことなどで、より都会的な雰囲気を醸し出すSUVへとその姿を変貌させているのが分かる。

 ランドローバーのディフェンダーは、イギリスのコヴェントリーに本社がある、JEモーターワークスとのジョイントビジネス。アレス・デザインではおもに内外装のモディファイが行われ、エンジンなどメカニカルなパートはJEデザインがそのチューニングを担当する仕組みで50台以上が販売された。

アレス・デザイン・モデナ社のランドローバー・ディフェンダーのカスタムモデルのフロントスタイリング

 一方でアレス・デザインは、クラシックモデルの復刻にも積極的な取り組みを見せる。もちろんそれは完全なレプリカ、いわゆるコピーではなく、同社がそれを現代流に解釈したパートを持つ、いわばレトロフィット的なモデル。

 これまでにマセラティの1950年代風スパイダーを最新のメカニズムで再解釈してみせた「プロジェクトWami」を始め、フェラーリの「412」やコルベット「C2」など、さまざまなモデルをリリースしてきたが、さらに大きな話題を呼んだのは、デ・トマソ・パンテーラと、フェラーリ250GTOのいずれもレトロフィットモデルだった。

「プロジェクト・パンサー」とネーミングされた前者は、ランボルギーニ・ウラカンのメカニズムを流用したもの。

アレス・デザイン・モデナ社の「プロジェクト・パンサー」のフロントスタイリング

 また後者は、フェラーリ812GTSがベースとなるものの、いずれもそのスタイルはマニアの目にも十分に評価される美しさと刺激を兼ね備えたもので、発表時の話題性は大きく、さらに250GTOではフェラーリから提訴されるなど、そのデビューまでにはまだまだ超えなければならない壁が残っている。バハール氏によれば、それらはすでに企画の段階から想定済みのことだというのだが……。

 創立からそろそろ10年という節目を迎えるアレス・デザイン。その存在はすでに世界の富裕層には十分に知られる存在となっているようだ。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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