周囲に認識されることが最優先だが時代の要請で進化
「そんなことするならサイレンの音を静かにしたいところでは消せばいいのでは?」という声があるかもしれないが、緊急走行時はサイレン音と赤色灯のふたつを作動させるのは必須となっている。どちらか片方だけというのはNGなのだ。そのような規制のなかで、サイレンとしての本来の役割を担いつつ、周辺環境に配慮する工夫が行われている。
近年は徐々に音が大きくなり、音を消すときは徐々に小さくなるフェードイン、フェードアウト機能を備えたり、「救急車が出動します、ご注意下さい。」という出動予告機能を付けて周辺の人を驚かさないようにしたり、サイレン起動時に小さな音量からスタートする弱スタート機能といた機能が追加されたりしているのだ。一見、いや一聞するとずっと変わっていない気がしてしまうサイレンだが、周囲に「知らせる」という安全性を確保しつつも、時代や要望に合わせて進化を続けている。
運転中にサイレンを聞いたらしっかりと道を譲るべきであるが、もし、この記事を思い出したら譲ったときにサイレンの音にも注目してみて欲しい。