新たな中国のハチャメチャ道路事情のニュースが楽しみ
中国で高速道路といえば、8年の月日をかけて完成した重慶の黄桷湾立体交差橋も大きな話題となりました。とにかくランプの分岐点が15か所もあり、そこからさらに8方向に道路が伸びているという状況。これは運転手泣かせというか、ナビがあっても苦労しそうなレベルでしょう。
立体交差といっても5層にわたる構造で、もっとも高い場所は地上37mと、マンションでいえば11階建てに相当するもの。なるほど、8年の歳月もかかりそうなものですが、重慶の役所は「市の中心部と空港や、各高速道路を結ぶと複雑にならざるを得なかった」とのこと。現地では「分岐をひとつ間違えれば、重慶に着くのが1日遅れる」とか「カーナビがバグった」などと、評判は芳しくないようです。
そんなハチャメチャな中国の高速道路事情ですが、浙江省では高速道路のど真んなかに個人の家が建っています(笑)。実際の様子を見れば、お家が中央分離帯というかシケインのようなことになっていて、誰もが二度見すること間違いなし。さらに、道路が開通した後も家主はそのまま住み続けていたのも驚きです。
家主のLuo Baogen氏は、道路の建設によって立ち退きを要請されていたのですが、「政府の示した条件に納得できなかった」と拒否。日本では到底考えづらいことですが、中国政府は「ならば、これでどうだ」とばかりに工事を強行してしまい、現在のようなビックリドッキリな状況というわけ。
もっとも、Luoさんに言わせると「毎朝、高速道路を走るクルマの音で目が覚めて、忙しそうにしているのを眺めていると、それそれで気分がいい」とのこと。中国政府もあんまりですが、それを受け止めているLuoさんも相当なものです(笑)。
そんなLuo氏(中国表記:羅宝源)は60万元の価値があると言って退去に応じなかったものの、最終的には26万元と転居費用をもって退去に応じ、2012年に12月1日に取り壊されてしまいました。
このように取り残された家のことを中国では1本だけ刺さった釘のように見えることから「钉子户(釘の家)」と呼ぶようになりました。
他人事に聞こえるかもしれませんが、中国にはこのままハチャメチャ道路事情をぜひ続けてもらいたいもの。どんなニュースが飛び込んでくるのか、楽しみでなりませんよね!