この記事をまとめると
■日本でも海外でも職務質問という行為は存在するが、最近は物騒なので慎重に対処している
■アメリカでは、些細な交通違反の取り締まりから殺人事件にまで発展することがある
■日本と違い、海外では警察官とのやりとりで怖い目にあう可能性が高い
最近の職務質問は命がけ!
筆者はいわゆるテレビの警察24時もののヘビーウォッチャーを自負している。ある時期になると、民放テレビ局のほぼすべてで全国の警察の活動を紹介する、いわばドキュメントのようなテレビ番組が「警察24時」である。その番組内の名物企画が職質(職務質問)コーナー。パトカーで街なかをパトロールしている警察官が、眼光鋭く怪しいクルマ(年式の古い軽自動車がなぜか多い)を見つけ停車を要請、当該車両に近寄りドライバーに「何か危ないもの持っていないか調べさせてください」と、車内やドライバーの身体検査を行い、たいていは違法薬物が出てきて御用となるパターンが多い。
日本では一般市民の銃の所持は禁止されているものの、それでも危ないモノを持っている人も少なくないので、警察官も慎重に対処しているようだが、民間人の銃所持が認められているアメリカでは、まさに職質も命がけになっているのはみなさんもご承知のとおり。交通違反を現認し停車を指示しても、うかつに違反車両に近寄ることはできない(いきなり銃を発射してくる可能性が高い)。
ある現地在住の人いわく、「あるとき警察官に停止命令を受けクルマを停めたことがあります。運転席に近寄ってくる警察官はもちろん腰の拳銃に手を置きながら歩いてきましたが、視線をそらすと助手席側にも相棒の警察官がすでに銃をこちらに構えてバックアップ体制に入っていて驚きました」と語ってくれた。
交通違反程度の停車要請であっても、ちょっとした行き違いで警察官が民間人を射殺してしまうという事故も珍しくないとのこと。この相手がアフリカ系アメリカ人だったら、それこそデモや暴動に発展しかねない。
日本の警察官は物腰が柔らかいので、前述した警察24時でもなめてかかる人も多いが、実際は目が笑っておらず、冷静に見るとかなり怖い。アメリカの警察官はそれに輪をかけて怖い印象がある。筆者などは『ダーティハリー』や『マイアミバイス』などのポリスアクションが大好きなので、すぐに銃を抜くというイメージもあるので、アメリカ滞在中は結構ビビっている。現地在住の人も警察官に止められたという焦りから、よきせぬ行動をとってしまい悲劇が起きることもあるようだ。