右利きなら左ハンドルにメリットがある!?
筆者は1990年代、キャデラックが開発中だったセビルの右ハンドル仕様をチェックしに、何度かアメリカを訪れた経験があるが、開発段階の車両ではスイッチ類の配置、ステアリングフィール、ブレーキフィールに、左ハンドル仕様との違いを感じないでもない……と開発陣に報告していた(走行性能に関しては市販車では解消)。
が、いまでは全世界市場では左ハンドル仕様がメインの輸入車でも、操作性や運転感覚において、しっかりと右ハンドル仕様に仕立てられているのが普通だ(センターコンソールまわりのスイッチの配置に左ハンドル仕様の名残があるクルマもあるにはあるが)。逆に、もはや左ハンドルの正規輸入車は圧倒的少数派になっている。
とはいえ、多くの左ハンドルの輸入車を所有してきた筆者の経験では、左ハンドルが100%不便かと言われれば、そうでもない場面もある、と感じている。
まずは、少数派ながらマニュアルミッション車だ。右利き前提にすれば、シフトを利き手で行うことができ、シフト操作がしやすいメリットがある。
駐車のしやすさも、左側通行の日本ではかえって左ハンドル車のほうがしやすいことも確か。つまり、ドライバーは車体の左側に乗っているわけで、駐車時、歩道側、路肩ギリギリに寄せやすくなることになる。
ナビの操作も左ハンドルのほうがしやすいかもしれない。マニュアルミッションの操作同様に、とくにタッチ操作、文字入力操作では、右利きの人ならやはり、スマートフォンの入力でも慣れた利き手のほうがやりやすく、入力ミスも少ないと考えられる。右ハンドルだと左手操作になり、操作、入力スピードが落ちるはずだ。
最後に、男子限定のとっておきの左ハンドルのメリットを紹介したい。それは、ここだけの話、ナンパがしやすいということ!? 右ハンドルで歩道を歩いている女の子に声をかけるとすれば、右ハンドルの運転席からだと距離が遠く、声も届きにくい。相手もこちらを認識しにくくなる。
ところが、左ハンドルでウインドウを開ければ、歩道を歩く女の子にかなり接近することになり、声をかけやすいというわけだ。もっとも、そんなナンパ行為は、昭和、平成時代の遊び人が残した左ハンドル車の遺産というべきメリットかもしれないが……。