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後輪に履いたほうがいい! 80km/h以上出しちゃダメ! 意外と知らない「テンパータイヤ」のあれこれ (2/2ページ)

後輪に履いたほうがいい! 80km/h以上出しちゃダメ! 意外と知らない「テンパータイヤ」のあれこれ

この記事をまとめると

■パンクなどのタイヤに関するトラブルの際に交換して装着するのがテンパータイヤだ

■テンパータイヤとは何か? 使用上の注意は? などの気になるポイントを解説

■最近はテンパータイヤを積んでいないクルマも多い

テンパータイヤのことどれだけ知ってる?

「テンパータイヤ」って聞いたことはありますか? 昨今はタイヤの技術も進化し、道路の整備も進んでタイヤがパンクするトラブルに遭う機会も減っているように思いますが、週末などに高速道路で移動していると、タイヤがぺちゃんこになって路肩にハザードを点灯させて緊急停車している車両もたまに見かけます。そうなって初めて「あ、スペアタイヤがあったな!」と、その存在に思い当たると思いますが、調子よく走っているときは1ミリも意識を向けられない寂しい存在でもあります。

「テンパータイヤ」ってなに? スペアタイヤとどう違う?

「テンパータイヤ」とはスペアタイヤの一種です。正式には「テンポラリータイヤ」と言います。「temporary(テンポラリー)」とは、「一時の、仮の、臨時の」という意味ですので、この場合は「臨時用のタイヤ」となります。

 クルマのトランクやフロア下に備わっているスペアのタイヤには大きく分けて2種類あります。走行用のタイヤと同じもの、またはホイールは違うけど同じタイヤを履いたもの、そしてこの「テンポラリータイヤ」です。

「テンポラリータイヤ」は、その名のとおりにパンクした際に臨時に使用するための最小限の性能と、収納のためのコンパクトさを両立させたタイヤですので、無精してそのまま日常使いするのは危険なのでやめたほうがいいでしょう。

使用するときの注意点は?

 スペアタイヤでしたらほとんどの場合はそのまま普通に走行しても大丈夫ですが、「テンパータイヤ」の場合は注意が必要です。

 ほとんどのテンパータイヤは、収納性を高めるために標準タイヤより幅が狭く設定されています。そして、その細いタイヤで車重を支えないとならないので、標準的なタイヤに比べて硬質なゴムを使って分厚く作られています。空気圧も標準の2倍近い数値に設定されています。

 そのため、ただでさえ幅が細くて接地面が少ないのに加えて、硬質なゴムで空気圧が高いため、グリップ力が圧倒的に少ないのです。これは個人的な経験による感想ですが、ノーマルタイヤの半分もグリップしないという感じでした。

 もっとも不安なのは加速のスリップではなく、ブレーキング時に片方しかブレーキが利かないことによるスピンです。ドライ路面での移動でも不安が伴うので、雨天によるウエット路面ではさらに慎重な運転が必要です。

 また、上記理由によって、細いサイズのわりに重量はノーマルと同等かそれ以上あります。そして、構造上の理由でスピードが出せません。具体的には80キロ以上は保証されない、という設定になっています。そのため、高速道路の途中でパンクした場合は、最左車線を80キロ以下で走行することになります。

 航続距離の目安はだいたい100キロと言われています。修理できる場所までがだいたいそれくらいだという理由で設定されたようですが、さすがに100キロで擦り減ってツルツルになるわけではありませんので、それ以上走っても大丈夫だと思いますが、応急タイヤで長距離を走るのはいろいろ不安があるので、早急にパンク修理をして元のタイヤに戻すことをオススメします。

テンパータイヤはできれば後輪に装着したほうがいい

 前輪がパンクしてしまった場合を考えます。幹線道路の路肩などでは作業する余裕が無い場合が多いため、とりあえずパンクしたタイヤとテンパータイヤを交換するのが精一杯だと思いますが、もし作業スペースと時間に余裕があるなら、前輪にテンパータイヤを装着するのは避けたほうが安心です。面倒でも2回交換してテンパータイヤを後輪に装着しましょう。

 これは少しでもブレーキの心配を少なくするというのが理由です。後輪ならばグリップの差があっても大きく姿勢を崩すことは少ないですが、前輪に装着して急ブレーキをした場合、グリップの差から車体が流れてしまい、コントロール不全に陥る可能性も否定できません。

 ちなみに交換の手順は、まず無事な後輪とテンパータイヤを交換し、外した無事な後輪とパンクした前輪を交換すると、前側の両輪が無事な状態にできます。

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