トラックの輸送能力不足対策で警察が検討する「最高速度引き上げ案」ってアリ? トラック協会に聞いてみた (2/2ページ)

最高速度引き上げだけでは解決しないトラック運転手不足

全日本トラック協会に聞いてみた

 このような警察庁の検討に対して、トラック業界はウェルカムなのかそれとも懐疑的に感じているのか? そんな疑問をぶつけてみた。

 得ることが出来た返答としては、まず警察庁の具体的な考えがわからないということだ。有識者での検討会がされているそうだが、その詳細内容などはトラック協会の耳には入ってきていないそうだ。そのため、実施される区間や距離などが不明瞭であるから、実際にどれほどの効果が表れるのか予想が付かないとのこと。

複数台のトラックが駐車されている写真

 また、荷物の特性によって速度を引き上げることが難しい場合もあるし、ドライバーへの負担が増すかもしれないという観点もある。速度が引き上げられることで現場での選択の幅は広がると思うが、それがウェルカムか否かはケースバイケースだと思われる……とのことだ。

高速道路を走行する2台の大型トラック

 ただ、速度が引き上げられることがマイナスになることはないと思うと考えているようで、多かれ少なかれプラスには作用すると捉えているとのこと。速度が引き上げられると言ってもまだ具体的に見えてない部分も多いので、どこまでプラスになるかがわからないといったところだろう。

 速度の引き上げだけでなく、政府が策定した物流促進の政策パッケージなどに基づいて、ハードやソフトさまざまな方向からの対策が必要だと全日本トラック協会の担当者は述べていた。

夜間のサービスエリアに駐車している複数台の大型トラック

 単純に速度を引き上げればOKという訳でもないし、賃金を引き上げて人手不足を解消しようにも、運送会社の体力的に厳しい面もある。トラックドライバーの人手不足はさまざまな要素が絡み合う複雑な問題なのだ。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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