ついに全モデルの詳細が明らかに! トヨタ・クラウン「セダン」「エステート」の中身を実車で確認してきた (2/2ページ)

注目のエステートにも触れることができた!

 後述のトークショーでも多くのゲストから人気を集めていた「エステート」が持つ最大の魅力は、やはり後席と荷室の広さ、そして使い勝手の良さだろう。「セダン」に対し全長が100mm、ホイールベースは150mm短いにも関わらず、クッションがやや硬めの後席は頭上・膝まわりともセダンに匹敵する広さ。また、言うまでもなくセンタートンネルが低く狭いため、左右方向にも大きなゆとりを感じられる。

トヨタ・クラウンエステートのリヤシート

 その後席背もたれは簡単に倒せるうえ、背面に装着されたパネルを前方へ裏返しすると、奥行き約2mにもおよぶフラットな荷室を得ることができる。サーフィンや車中泊などのアウトドアレジャーに用いることも決して不可能ではないだろう。

トヨタ・クラウンエステートのラゲッジ

 そんな「エステート」のエクステリアは、「クロスオーバー」と全長(4930mm)とホイールベース(2850mm)が同一ながら、40mm広い全幅(1880mm)と80mm高い全高(1620mm)、水平基調のシルエットも相まって、SUVらしい活発さを備えながらも伸びやかで落ち着いた佇まい。

トヨタ・クラウンエステート

 インテリアも、平置きされていたPHEVはブラウンの本革で仕立てられており、やはりアクティブかつ上品な雰囲気を醸し出していた。

トヨタ・クラウンエステートのインパネ

 今回正式発表された「スポーツ」は、シリーズ中もっとも短い4720mmの全長に、スポーツカーとSUV双方の力強さを凝縮したようなスタイルながら、「前席優先で設計した」(本間裕二開発主査)という室内は決して狭くない。後席もニークリアランスこそ20cm程度だが、ヘッドクリアランスは身長174cmの筆者が座って約10cmと、ほかの3モデルよりむしろ広いほどだった。

トヨタ・クラウンスポーツ

 トークショーには、2023年10月よりZSチーフエンジニアとしてクラウン、センチュリー、ミライの全体総責任者を担う清水竜太郎開発主査と、「スポーツ」「エステート」の開発取りまとめを担当する本間裕二開発主査、宮崎満則チーフデザイナー、宍戸恵子カラーデザイナーが登壇。

清水竜太郎開発主査、本間裕二開発主査、宮崎満則チーフデザイナー、宍戸恵子カラーデザイナー

 16代目クラウン各モデルに込めた想いや特徴、ブランド戦略が口々に語られる中で、トヨタ初の車種専門店「THE CROWN」が10月6日より横浜都筑と福岡天神にオープンし(2023年度中に愛知、2024年度中に千葉と東京にもオープン予定)、和を基調としたショールームや専売グッズ「THE CROWNコレクション」が展開されることも明らかにされた。

 その後、「多様性を自分らしさ」をテーマとして、モデルの秋元梢さん、俳優の大谷亮平さん、作家の川上未映子さん、西陣織「細尾」12代目の細尾真孝さんをゲストに招いたトークセッションも実施。

モデルの秋元梢さん、俳優の大谷亮平さん、作家の川上未映子さん、西陣織「細尾」12代目の細尾真孝さん

 78年16代の歴史と日本車らしさをバックボーンとしながら、初めてグローバル展開を開始した現行クラウンになぞらえて、日本から世界へ羽ばたいた各ゲストが、日本人が海外へ進出する際に意識する(べき)違いや強みなどについて述懐。

 セッションの最後に「4モデルのなかでもっともお気に入りのクラウンは?」と問われると、秋元さん、大谷さん、川上さんは広さと使い勝手の良さから「エステート」、細尾さんは「クラシックさが残りながらも未来に向かって変わっていっている。またこの低さが京都の町並みにも似合う」という「セダン」を選んでいた。


遠藤正賢 ENDO MASAKATSU

自動車・業界ジャーナリスト/編集

愛車
ホンダS2000(2003年式)
趣味
ゲーム
好きな有名人
-

新着情報