この記事をまとめると
■クラウンの第2弾以降のモデルを正式発表するイベントが六本木で開催された
■クラウンクロスオーバーに次ぐ「スポーツ」「セダン」「エステート」の販売日が決定した
■クラウンスポーツの販売は10月6日、セダンは11月頃、エステートは2023年度内の予定だ
ついに4モデルすべてが集結! 車内に乗り込むこともできた
4ドアセダンボディにSUVスタイルを融合させた「クロスオーバー」、スポーティなSUVの「スポーツ」、フォーマルな4ドア「セダン」、ステーションワゴンにSUVスタイルを融合させた「エステート」、計4つのモデルを展開することが2022年7月のデビュー時に明言されている、現行16代目トヨタ・クラウン。
その第2のモデル「スポーツ」が、2023年10月6日、ついに正式発表。報道関係者のみならず一般ユーザーも招待しての発表イベント「CROWN STYLE TALK SHOW」が同日、東京・六本木ヒルズアリーナで開催された!
「スポーツ」の詳細は別記事に詳しいのでそちらをご覧いただきたいが、当日は「スポーツ」のみならず「クロスオーバー」、そして11月頃発売予定の「セダン」、2023年度内発売予定の「エステート」も各2台、計8台を展示。しかもそのうち各1台は、室内に乗り込める形で平置きされていた。
そのうえ、発売前の「セダン」と「エステート」について、さらなる詳細スペックも公開されたのだから、報道陣も一般招待客も、発売前の「セダン」と「エステート」に注目してしまうのは必然と言えよう。
まず「セダン」に関しては、駆動方式がFRであることが、初めて公式に明言された。この駆動方式に関しては、2022年7月のデビュー当初から公然の秘密となっていたが、各車の実車を直接比較してみても、「セダン」のみフロントオーバーハングが極端に短く、リヤオーバーハングがやや長めの、FRらしいプロポーションとなっているのが一目で分かる。
初めて公表されたホイールベースは、「スポーツ」の2770mm、「クロスオーバー」と「エステート」の2850mm、「セダン」はミライの2920mmよりも長い3000mm。デザイン自体も前衛的ながらフォーマルで落ち着いたものとなっており、旧来のクラウンらしさをもっとも色濃く残しているのが見て取れた。
なお、平置きされ室内に乗り込めたのはHEVの方で、ステージ上に展示されていたFCEVの方は確認できなかったが、センタートンネルがほかの現行3モデルはもちろん、先代クラウンと比較しても明確に高く広く、HEVのプロペラシャフトのみならずFCEVの高圧水素タンクもこのなかにとおせるであろう太さ。
そのため、後席の中央は完全に緊急用といった風情だが、それでも大半のメカニズムを共用しているであろう現行ミライと同様に3人掛けとされたのは、実用面で大きなプラスとなるに違いない。シートそのものもほかの3モデルよりソフトな座り心地で、その点においても長年クラウンを乗り継いできたファン=重要顧客への配慮がうかがえた。
その一方で運転席まわりは、ミライよりもむしろほかの現行クラウンに近いインパネ形状。駆動方式もプラットフォームもまったく異なるながら、ほかの3モデルとの共通性を強く持たせたことからは、開発陣の執念じみた想いすら感じ取れる。そのなかで、クラウンの伝統とされてきたトランクオープナースイッチが、運転席ドアトリムからインパネ右下に移設されたことには、一抹の寂しさを禁じ得ない。