スポーツ性重視の「D1」とエンタメ重視の「FDJ」
日本のドリフト競技と言えば、2000年に全日本プロドリフト選手権としてスタートしたD1グランプリが有名であり、フォーミュラ・ドリフト・ジャパンも類似のフォーマットで競技が行われているが、審査基準が異なっており、車両の改造範囲も異なっているようだ。
D1グランプリとフォーミュラ・ドリフト・ジャパンの両シリーズに挑むドリフト競技のベテランドライバー、日比野哲也は「フォーミュラ・ドリフト・ジャパンは改造範囲が広く、派手なマシンが多いうえにいろんなクルマが参戦しています。一方、D1グランプリはスピードが求められるので、また違うアプローチが必要になる。同じドリフト競技でも審査のポイントが違うので、それぞれに難しさがありますね」とのこと。
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イメージ的には老舗のD1グランプリは格式が高くスポーツ性を追求したカテゴリーであり、アメリカ発のフォーミュラ・ドリフト・ジャパンはエンターテイメント性を追求したカテゴリーといったところだろうか?
実際、フォーミュラ・ドリフト・ジャパンの車種ラインアップはなかなか多彩であり、日産シルビア(S15)、トヨタ・チェイサー(JZX100)、トヨタ・マークII(JZX100)、マツダRX-7(FD3S)といった定番のFRモデルから、レクサスRC FやレクサスIS500、BMW M3(E92)、GRスープラといったラグジュアリーなFRスポーツ、さらにGRヤリスやGRカローラなど、FRユニットを組み込んだ最新4WDスポーツまで、さまざまなモデルが集結。

一方、ドライバーの顔ぶれも前述のとおり、中学生ドライバーの箕輪大也を筆頭に若手ドライバーが多く、さらにアンドリュー・グレイ(スコットランド)やミンミン(タイ)、シェン・ニアン(シンガポール)など、数多くの外国人ドライバーもエントリーする多彩な顔ぶれとなっている。
ちなみに、岡山大会ではWRCドライバーの勝田貴元がトヨタGRヤリスRally1ハイブリッドでデモ走行を実施するなど、競技以外のアトラクションも充実。

いずれにしてもフォーミュラ・ドリフト・ジャパンは迫力満点で、ルールを知らなくても楽しめるほどエンターテイメント性が高いだけに、2024年はロバンペラの参戦の有無にかかわらず、チェックしたいカテゴリーだと言えるだろう。