この記事をまとめると
■高速道路のガソリンスタンドでは給油中のクルマに札をつける
■給油する油種の確認と給油中の発進事故を防ぐというふたつの理由がある
■セルフスタンドは万が一給油中に発進してもガソリンが流出しない仕組みを導入
不要な気もするけどなんの意味がある?
全国のガソリンスタンドのセルフ化は、2020年3月末の時点で37.3%。都市部ではセルフのほうが多いぐらいで、有人のSSを利用するのは高速道路のSAぐらいという人もいるだろう。
そんなSA・PAのガソリンスタンドに立ち寄ると、給油中、ドアミラーに「ハイオク給油中」と書かれた札をかけてくることがある。
アレって一体何のため?
調べてみると理由は主にふたつある。
ひとつは、油種間違い防止のため。
軽油、レギュラー、ハイオクの指定を、利用客、スタッフともに確認しやすくして、間違いを防ぐ効果があるらしい。
もうひとつは給油中の発進事故を防ぐため。
給油ノズルが刺さったままなのに、クルマを発進させるドライバーなんているのか? と思うかもしれないが、先年、69歳の男性ドライバーが、給油作業が終了したと勘違いして発進。パニックになって店舗に衝突する事故を起こしてニュースになった……。
たとえば、有人SSの場合、①クルマを止める。②店員に油種と給油量を伝える。③カードを渡す。④給油を開始。⑤先にカードが戻ってくる。
ここまではヨシとして、このあと店員が別の接客などに行ってしまうと、「あれ? 自分の給油は終わったのかな」と、勘違いして発進してしまうせっかちの人も皆無ではない!? そうした無用のトラブルを、視覚的に防ぐツールとして、「給油中」の札を活用しているSSがあるというわけだ。
自分はそんなにせっかちでもなければ間抜けでもない。走ってきて、汚れや埃がついているドアミラーに札をかけられることで、塗装面が傷つくから嫌だな。と思うドライバーもいるだろうが、これもフールプルーフの一種なので難しいところ。
SSによっては、「ドアミラーに札をかけさせていただいてよろしいでしょうか?」と聞いてきてくれるので、嫌な人はそのときに断ればいいのでは……。
ちなみにセルフ式のスタンドの給油機には、ホースに一定以上の引っ張る力が加わった際に、ホースの内部にあるピンが分離することでホースが分離し、上流側も下流側も弁が閉止する「緊急離脱カプラ」が100%設置されている。そのため、万が一、ホースがつながったままクルマを発進させたとしても、そのことによってガソリンなどが流出する心配はないが、有人のSSでは自主的な設置に任されているので、やはり誤発進には十分な注意と備えが必要だ。