この記事をまとめると
■2023年9月13〜24日に北米国際オートショーが開催された
■アメリカの自動車業界関係者はトヨタのGR86やGRカローラ、新型タコマに注目していた
■日本のスポーツカーは人気だが、その他モデルは「燃費がいい」くらいの印象となっている
アメリカで日本車はまだまだ大人気! しかし……
9月13日から24日の会期で開催されたのが、北米国際オートショー(デトロイトショー)2023。初日の13日はメディアデーとともにテクノロジーデーとされ、業界関係者も会場に入ることができた。14日も引き続きテクノロジーデーとなるが、14日は普段はなかなかおおっぴらにはできない、ライバル車を思い切りチェックすることが許されているのである。
14日は開場時間前に会場内に入り展示車などを撮影していたのだが、開場時間の9時になると、一斉に業界関係者と思われる人が会場内に流れ込んできた。その人たちがとくに注目したのがトヨタ車。日本でも人気の高いプリウスは会場にプライム(PHEV/プラグインハイブリッド車)、HEV(ハイブリッド車)の両方が展示してあり、ボンネットを開けてハイブリッドユニットを入念にチェックしていた。
そんなプリウスを超える人気だったのがGRカローラ。個人的に好きな人も多いのかもしれないが、とにかく注目されていた。ほかには、日本以上に人気が高いとも見えるGR86を業界関係者のグループが展示車を囲んで談笑していた。
さらには、最近モデルチェンジしたピックアップトラックとなるタコマも新型車ということでチェックする人があとを絶たなかった。
BEV(バッテリー電気自動車)では少々出遅れイメージのある日本車だが、ハイブリッドユニットや、燃焼効率に優れ、燃費や環境性能も高いICE(内燃機関)では高い技術力をいまも持ち続けているので、その面で注目されているように見えた。
逆にアメリカンブランドでは、そこまで熱心なチェック風景を見かけることは少なかった。日ごろから情報共有や、ライバルの様子に触れることができるからなのかなぁ……などとも考えたが、展示車はICE車が中心となっていることも大きいようだ。
筆者はアメリカでは意識してアメリカンブランド車のレンタカーを借りるのだが、見た目の質感や、乗り心地などに不満を感じることはない。ただ、同クラスの日本車に比べると、燃費性能の悪さが気になるぐらいのレベルになっている。
レンタカーではアメリカでの販売シェアの関係もあり、いまは一時的に少ないもののトヨタ車が各クラスで目立つのだが、トヨタ車をたまに現地で運転すると、その燃費性能の高さには驚かされる。そのイメージはアメリカの人たちも同じようだ。
ただ問題なのは、日本車のイメージが燃費などの実用性で停まってしまっている点。アメリカのテレビドラマでは、特徴のない個性の薄い男性のことを若い女性が日系某車の車名をあげて、その無個性ぶりを揶揄しているといったシーンも目立つ。
クルマ好きの多いアメリカだが、意外なほど割り切ってクルマを選ぶ人も多く、そのような面では日本車人気が高いといえるかもしれない。