そのほかの電波も一緒に使って超高精度に!
そしてそこに、渋滞などの情報を受信するシステムも加わります。基本的には、VICSという名称で知られている「光ビーコン」、「電波ビーコン」、「FM多重放送」の3つがカーナビに情報を送っています。主に一般道に設置されているのが光ビーコンで、進行方向の前方30km、後方1kmの渋滞や通行止めなどの規制情報などを提供。
最近、信号待ちをしていて信号が青に変わったことに気付かずにいると、ピッなどと音が鳴って教えてくれるクルマがありますが、じつはこれも光ビーコンを活用した「信号情報活用運転支援システム(TSPS)」と呼ばれるものです。
電波ビーコンは、主に高速道路において、ETC2.0の5.8GHz帯では進行方向の前方約1000km、2.4GHz帯では約200kmの情報提供をしています。現在、全国の高速道路上に約1600カ所が設置完了しており、今後開通する高速道路や有料道路にも設置される予定。渋滞・リンク旅行時間・規制・障害情報・SA/PA情報・簡易図形・画像・音声などがカーナビに表示され、さまざまな情報が目で確認しやすくなっています(2.4GHz帯の場合、画像・音声は除く)。
そしてもうひとつのFM多重放送は、県単位のエリアへ広域のVICS情報を提供するもの。受信している都道府県の情報と、その隣接県との県境近辺の情報となっており、2分半あたり約5万文字相当の情報量を、5分間に2回送信しています。
さらに、カーナビ独自での渋滞情報を活用しているものもあります。そのひとつがパイオニアの「スマートループ」。これは、スマートループを利用しているクルマから情報を吸い上げ、リアルタイムプローブサーバーで管理して、最新のプローブ渋滞情報をVICS情報をあわせて、同様にスマートループ利用者に提供するというもの。現況渋滞情報が読み取れるため、ルート探索や到着予想時刻に反映して、より正確なものがわかるようになっています。
また、このスマートループの情報共有を行なっている自動車メーカーのサービスもあり、日産のカーウイングスはそのひとつ。利用しているクルマからの走行情報を収集して管理し、リアルタイムの交通情報配信を行なっています。
ということで、カーナビがいかに壮大で複雑なシステムによって、私たちにルートや到着予想時刻を教えてくれているかがわかりますね。道を教えるだけでなく、こうした情報を活用して渋滞そのものを解消するような取り組みなどもあるので、さらなる進化に注目です。