8リッター超のエンジンなんてクルマでも珍しい
ボスホス
ハーレーやロケットで驚いている場合ではありません。さすが、大排気量天国のアメリカでは、シボレーのビッグブロック(8200cc)を積んだバイクがブイブイいわせているのです。ボスホスというマイナーブランドながら、V8エンジンをバイク用にカスタム、すなわちミッション(前進2速+後進1速)やラジエターを最適化することで、いくつかの大排気量バイクをリリースしてきました。
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前述の8200ccはさすがに排気ガス問題で廃番となっていますが、スモールブロックの5200ccやアルミブロックの6200ccはいまだ現役。また、国内にも正規ディーラーが存在して、なんと100台ほどのボスホスが登録されているそうです。

が、スモールブロックといえども車重は500kgを越え、ビッグブロック搭載車に至っては総重量660kgとにわかにはバイクの重量とは信じがたいもの(笑)。それでも、オーナーによれば立ちゴケしてもひとりで起こせるとのことですが、やはりゾッとしませんね。
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筆者としては、エンジンが発する熱が気になったのですが、相当な熱さだそうで、レザーパンツをはいていても夏場は肌が真っ赤に灼けるとのこと。なるほど、V8はクルマで味わうほうが無難かもしれません(笑)。
ダッジ・トマホークV10
名前のとおり、クライスラーが2003年のデトロイトショーに出品した「オートバイのような乗り物」で、シボレーのビッグブロックよりわずかに大きい8300ccのV10エンジンを搭載。
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平たく言えば、バイパーのV10エンジンにまたがっているようなものでしょうか。ご覧のとおり、バイクのようなパッケージに見えないこともありませんが、前後とも2本ずつタイヤを並列にレイアウトしているため、正確に言えば自立可能な4輪車。それでも、クライスラーはコンセプトバイクと言い張り、500馬力以上を発揮しつつ、最高速は理論上400mph(およそ640km/h)と夢なのか悪夢なのかわからないようなパフォーマンス(笑)。
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トマホークなんてバイクを作るアメリカ人にも驚きますが、それが欲しいと手を挙げた人がごまんといたのもアメリカらしい(笑)。コンセプトモデルの反響があまりに大きかったため、クライスラーは限定10台のみを販売することにしたのですが、お値段なんと5000万円! もちろん完売で、これから先もオークションで驚きの落札価格となること請け合いです。
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こうなると、排気量が安全デバイスになるのもわかりますが、お値段もまたフルスロットルを躊躇わせる安全デバイスといえるのではないでしょうか(笑)。