砂漠以外必要なし!? 超絶速いクロカン四駆も
シボレー・コルベットZR-1(C7)
いまになってみると、GMはC7コルベットが最後のFRモデルになること承知していたのでしょう。コンベンショナルなFRのアメリカンスポーツカーがどこまで速くできるかとばかりに「俺っちの底力見せたるわー!」で作っちゃったのが647馬力のモンスターですよ。だって、ミッドシップのC8になってもこのパワーを凌駕するモデルは生まれていませんからね。ある意味、コルベットの記念碑的なモデルとなったこと疑う余地もありません。
が、それにしても速すぎ(笑)。6.2リッターのV8+スーパーチャージャーというアメリカ人が大好きなパッケージは分かりますが、0-60mphが3秒未満、最高速340km/hとかアメリカンマッスルというより、メガスーパーカーの領域。文句なしに「なにも、そんなに」パフォーマンスにほかなりません。
とはいえ、アメリカ人のメンタルらしいといえばらしいもので、そこまで必要ないパワーなのに「あればうれしいだろ」的にバンバン盛ってくれたわけですから、コルベットとしてはじつに正しい選択だったといえますよね。
三菱パジェロ エボリューション
クロスカントリーやSUVに強力なエンジンを載せるのはいまでこそ一般的な手法ですが、このパジェロエボには度肝を抜かれたものです。同社はランサーエボという元祖「なにもそこまで」というモデルもありますから、社内での逆風はまったくなかったのでしょう。そもそも、パジェロエボは1997年にパリダカールで総合優勝をしたあとのレギュレーション変更にあわせたホモロゲーションモデル。それを考えれば過激になるのも致し方ないかもしれませんが、市販車、それも車高の高いクロカンモデルに当時の規制ギリギリの280馬力というのは驚きを禁じえません。
また、ランサー・エボリューションの流れを汲んだかのようなブリスターフェンダーやいかついルーフスポイラーといったエアロデバイスも「なにも、そこまで」感マシマシ。高速道路で、このエボがすごい勢いで迫ってきたら、イキったゲレンデよりも迫力あること間違いありません(笑)。もっとも、そこまでやりきったおかげで1998年のパリダカールでは1位から3位までを独占という素晴らしいリザルトを残しています。
やっぱり、なにかを成し遂げようとすると「なにも、そこまで」といった徹底ぶりが欠かせない、という好例ですね!