この記事をまとめると
■ドアミラーを起こし忘れて走行しているクルマを見かけることがある
■ドアミラーを畳んだままの走行は安全運転義務違反に問われる場合がある
■ドアミラーが壊れたままだと整備不良車扱いとなりこちらも交通違反だ
ミラーを開き忘れただけで反則金9000円の可能性のある
農道など車幅規制のゲートがある道を走ると、ときどきドアミラーをたたんだまま走っているクルマを見かけることがあるが、そうじゃないところでも助手席側のドアミラーだけ閉じたままのクルマとすれ違うことも。
電動ドアミラーならボタンひとつで開閉できるので、気づいたときにボタン操作をすればいいだけだが、古いクルマで手動式だと、一度クルマを止めて、外からミラーを調整し直さなければならない。
昭和の時代、1980年代までのヨーロッパ車には、運転席側しかドアミラーがついていなかった車種もあったはずだが、ドアミラーをたたんだまま走行するのは、違法行為になるのだろうか。
これは結論からいって違法になるだろう。道路交通法第五十五条「乗車又は積載の方法」に「車両の運転者は、運転者の視野若しくはハンドルその他の装置の操作を妨げ、後写鏡の効用を失わせ……となるような方法で乗車をしてはならない」とあるので、ドアミラーの効用が失われた状態でクルマを運転するのは、片側、両側を問わず、道交法五十五条の違反になる。
また、保安基準44条にも、バックミラーについて
・走行中の振動でその機能が損なわれないように取り付けられていること
・運転席から左右の外側線上後方50メートルまでが見えること
と明記されているので、ドアミラーを畳み、「運転席から左右の外側線上後方50メートルまでが見えること」という条件をクリアできない状態は、保安基準違反のクルマにもなる。
ドアミラーをたたんだままの走行が警察官に目撃された場合、安全運転義務違反で、違反点数2点、反則金9000円(普通車)が課せられる可能性もあるが、うっかり閉じたミラーを開き忘れていただけだったら、口頭注意だけで済むかもしれない。
しかし、電動ミラーが壊れて動かない(開かない)とか、ミラーが割れたままになっていたりすると、整備不良車扱いになり、最悪3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金になるので、ドアミラーのトラブルは放置せずに、即座に修理するようにしよう。
昔から運転の上手いドライバーほど、小まめに後方をチェックするといわれている。自分を取り巻く状況を積極的に収集することは、安全運転に欠かせないことなので、もっとミラーを使って、後方への注意力も高めるようにしよう。