モータースポーツも盛んに行われた
ホンダ・シティ
ホンダのホットハッチと言えば、シビックやCR-Xなど有名どころも多く存在しているが、いぶし銀の魅力を放っていたのがシティだろう。
初代モデルはトールボーイと呼ばれ、当時としては斬新な背の高いスタイルで広い室内空間を持つ個性的な車両となっていたが、1986年に登場した2代目モデルは一転してワイド&ローなスタイルを持ったものに生まれ変わっている。
デビュー当初は1.2リッターエンジンと3ドアハッチバックボディの組み合わせのみのシンプルな実用ハッチバックという側面が強かったが、1988年10月のマイナーチェンジでメインのエンジンを1.3リッターに置き換え、電子制御燃料噴射装置を持ったものは100馬力という当時のNAエンジンとしては比較的高性能なものとなり、700kg台の軽量ボディと相まって、モータースポーツで活躍を見せたのである。
スズキ・カルタス
現在、数少ない国産ホットハッチとして気を吐くスイフトスポーツを擁するスズキだが、その源流と言えるのがカルタスだ。もともとは経済性の高いリッターカーとして誕生したカルタスだったが、1986年6月のマイナーチェンジで国産車初となる1.3リッターDOHCエンジンを搭載したGT-iを追加。
当初は97馬力だったこのエンジンも、1987年10月のマイナーチェンジで大幅な改良が加えられて110馬力までパワーアップを果たし、1.3リッターNAクラスで最強のモデルに躍り出たのである。
このGT-iはフルモデルチェンジを果たした2代目カルタスにも継続設定され、出力はさらに5馬力アップの115馬力を発生。800kgちょっとの軽量な車重も相まって、痛快な走りを楽しむことができたのだ。