随所に”らしさ”は健在。これは間違いなくクラウンだ
インテリアは、「アイランドアーキテクチャー」という、「ディスプレイやシフトなどの各種機能をひとくくりにして、島(アイランド)のように配置するデザイン」を活かしつつ、個性も主張できるよう、運転席と助手席をアシンメトリーにコーディネーションしているのが特徴だ。また、運転席側は、ドライブへの集中力を高めることを狙いにブラックに統一。スポーツの名に相応しい雰囲気としている。一方で助手席側には、くつろげるように、特別な素材と配色をあしらっているのがプレミアムカーの代表格とも言えるクラウンらしさだ。
メーター・ディスプレイは水平に集約することで視線移動を最小限する工夫がなされているので、視界の確保などにも貢献している。
美しいボディには美しいオーナーをと言わんばかりの、乗降時の姿勢などにも配慮しているのがクラウンスポーツの特徴でもある。よって、ロッカー高さ、段差やリヤドアトリム形状にもこだわり、足さばきの良さも検証して、ボディやインテリアの設計に落とし込んでいるという。
なお、乗員同士の言葉がダイレクトに伝わり、会話がしやすい空間を実現するため、室内音を反射する「調音天井」をトヨタで初採用しているのもトピックだ。
スポーツと名乗るからには、足まわりも専用設計だ。
サスペンションは専用のセッティングとしているのはもちろん、DRS(ダイナミックリアステアリング)を車両に合わせ最適にチューニングし、低速域では軽快感を出しつつ、高速域ではそれに安定感をバランスさせ、意のままに車両を操る楽しさを感じられるとのことだ。
パワーユニットには、クラウンクロスオーバー同様に2.5リッターのシリーズパラレルハイブリッドシステムと、2.5リッターのプラグインハイブリッドシステムの2モデルを設定。後者では、新開発の大容量リチウムイオン電池を搭載し、車内空間を損なわずにEV走行の航続距離を拡大、日常生活の大部分をEV走行でカバーできるようになっている。ただし、プラグインハイブリッドモデルの販売は本年12月頃となる予定だ。
先進安全装備は最新のToyota Safety Senseを搭載。そのほか、先進機能としてトヨタスマートセンターと連携するセンター通信型コネクティッドナビの対応と、通信が途切れて万一保持する地図情報の外に出てしまった場合でも、続けてナビ機能が利用できる車載ナビ機能も搭載される。ディスプレイサイズは高精細の12.3インチ HDワイドディスプレイとした。
先に販売されるシリーズパラレルハイブリッドモデルの価格は590万円となる。なお、クラウン(セダン)は2023年11月頃、クラウン(エステート)は2023年度内の発売としているとのこと。
また、自動車税やメンテナンス代などがすべて含まれているサブスクリプションサービス「KINTO」(個人・法人)でも取り扱いがあり、月額6万6550円(税込)から乗ることも可能だ。
最後に、今回のスポーツの発表に合わせてトヨタではブランド拠点・全モデルの展示拠点として、「THE CROWN」横浜都筑(ウエインズトヨタ神奈川)・福岡天神(福岡トヨタ)を10月6日に開業する。今後、合計5店舗の展開を予定しており、23年度中に愛知(愛知トヨタ)、24年度には千葉(千葉トヨタ)、東京(トヨタモビリティ東京)が開業予定するとのことだ。
ここでは、クラウンに関する相談や試乗、商談はもちろん、ここでしか買えない限定アイテムや特別仕様車も用意されるとのことだ。
いままでにはない一風変わったクラウンであるが、しっかりと”らしさ”を感じられる1台となっているので、気になる人はぜひ試乗してみてはいかがだろうか。運転が好きな人であれば、きっと気に入るはずだ。