この記事をまとめると
■4WDイメージの強いメーカーもFF車をラインアップしつつある
■海外の4WDをメインとするメーカーでもFFモデルを導入するケースが増えている
■電動車であれば緻密なコントロールが可能なので2WDモデルでも安定して走れる
4WDが多いと思ったらFFもいつの間にか増えている
クロスオーバーSUVが世界的なムーブメントと呼ばれるようになって久しい。もはや、SUVは各ブランドのラインアップにおけるメインストリームで、すなわち4WD比率が高まっている……と思いきや、そうでもないというのが現実だ。
その象徴といえるのが世界に誇るSUVブランドの「SUBARU」。同ブランドにおいては、「ボクサー」と呼ばれる水平対向エンジンの特徴を活かした「シンメトリカルAWD」がコアテクノロジーとして認知されているが、最近のラインアップを見ると状況が変わってきている。
国内向けの現行ラインアップを眺めてみると、AWD(全輪駆動)しか設定していないモデルは、レガシィアウトバック、レヴォーグ、フォレスター、WRX S4だけで、それ以外のモデルにおいては2WDも設定するようになっている。
FRであることがアイデンティティであるBRZは当然リヤ駆動であり、ボクサーエンジンのエントリーモデルであるインプレッサも従来からFFを設定していたが、SUVに分類されるクロストレックや、トヨタと共同開発した電気自動車ソルテラにも2WD(いずれもフロント駆動)が用意されている。ラインアップ上では、半分のモデルが2WDになっているという見方もできる。
国産ブランドで、同じく4WDイメージが強いブランドといえば三菱自動車だろう。とくにデリカ全車がディーゼルエンジン+4WDなのは同ブランドを象徴している。しかしながら、全ラインアップを見ていくと、意外に2WDは多く設定されている。
たしかにアウトランダーPHEVやエクリプスクロスPHEVといったプラグインハイブリッドカーにおいては基本的に前後をモーターで駆動するパワートレインとなっているため4WDが基本となるが、同じエクリプスクロスでも1.5リッターガソリンターボ車になると、前輪駆動の2WD版も用意されている。
デリカミニをはじめとする軽自動車においても、基本的に前輪駆動の2WDと4WDの両方を設定している。軽EVのeKクロスEVは前輪駆動の2WDだけ、軽商用EVのミニキャブミーブは後輪駆動だけの設定となっている。