この記事をまとめると
■コロナ禍前は新車の納期はおおよそ1〜2カ月程度が大半だった
■コロナ禍以降はパーツなどの納期が遅れており、全面解消に至っていない
■納期が1年前後、もしくは受注すらやめてしまっている国産車を紹介する
納期が長いクルマってどのモデル? どのくらい待つ?
コロナ禍の前は、大半の車種の納期が1カ月から2カ月であった。それがコロナ禍になり、半導体、ワイヤーハーネス、塗料、樹脂パーツなどの供給が滞って納期も遅延した。昨今では、納期が3カ月なら短い部類に入り、長い車種には受注を停止したケースもある。今後も受注を継続すると、納期が数年間に延びて、車種によってはマイナーチェンジやフルモデルチェンジの時期を迎えるからだ。
トヨタの販売店では「納期が遅延した結果、受注を停止させた車種にランドクルーザーがある」という。アルファードとヴェルファイアも、購入を前提にしたユーザーの受注は停止している。定額制カーリースのKINTOなら、6〜9カ月で納車できるが、使用期間を満了したら車両を必ず返却するから購入はできない。
このほかトヨタの販売店によっては「アクアやヤリスクロスの受注も停止しており、販売できる車種が減っている」という話が聞かれた。ノア&ヴォクシーは「受注は行っているが、ハイブリッドの納期は約1年に延びた」と言う。
日産では「フェアレディZとアリアは、納期が延びて受注も止まっている」とのこと。この2車種は、いままでの生産台数も少ない。日産の関係者によると「フェアレディZは、以前に比べて国内仕様の販売比率を増やした。海外を優先しているわけではないが、予想以上の注文をいただいて受注を停止した」と言う。
このように、日産では受注が止まった車種もあるが、そのほかの納期は比較的短い。たとえばセレナは人気車で設計も新しいが、「納期が長いe-POWERでも6カ月程度」だから、購入の困難な車種は意外に少ない。
ホンダでは「シビックタイプRの受注が停止している」とのことで、これは購入希望者に対して生産規模が小さいためだ。ステップワゴンとZR-Vは、受注は可能ながら「グレードによっては納期が1年前後に延びる」と述べた。
このほかスズキジムニーは、2018年の発売以来、ほぼ一貫して納期が1年以上に延びている。この状況はいまでも変わらず、販売店によると「直近では、ジムニー、ジムニーシエラともに納期が1年半近くまで達した」とのことだ。コロナ禍の前から、約5年間に渡って納期が遅れている。
メーカーの開発者によると、「半導体などの供給状況は好転しつつあるが、当分の間、いままで受注した車両の生産に追われる。今後、急速に納期が短縮されることは考えにくい」と言う。