切れると最悪エンジンが「オシャカ」に! よく耳にする「タイミングベルト」ってそもそも何? (1/2ページ)

この記事をまとめると

■エンジンはタイミングベルトを使って駆動していることが多い

■10万km毎の交換が推奨されており切れると最悪エンジンが破損する

■30万〜50万kmぐらいまでもつと言われるタイミングチェーンも存在する

10万kmに1度のペースで交換が推奨されるタイミグベルト

 クルマの寿命は伸びているが、10年10万kmというのはひとつの節目とよく言われている。あちこちにガタが出てメンテナンスが必要だったりして、あちこち手を入れる必要があったりする。そのなかでも大モノとなるのがタイミングベルトの交換だ。

 タイミングベルトとは、簡単に言ってしまうとピストンとバルブの動きを連動させているもので、エンジンの下にあるクランクシャフトから、上のヘッドのなかにあるカムまでを繋いでいる。タイミングベルトはその名のとおり、化学繊維でできたベルトなので、永久にもつほどの耐久性はないため、10万km毎の交換が指定されている。もちろん10万kmというのは余裕をもった数字で、実際に外して見てみても切れる兆候はもちろんのこと、致命的なヒビや亀裂はほとんどなかったりする。

 ただし、交換にはエンジンのサイド部分(先端だったりもする)を分解して行なうので手間がかかり、それ相応の工賃がかかるのが問題。エンジンが横置きか縦置きか、また補機類の数や大きさにもよるが、費用は実用車で5万〜ぐらいだろうか。一般的にはタイミングベルトのテンショナーと、一緒にまわしているウォーターポンプも同時交換となるので、費用が比較的かさむのは仕方がないところだ。

 では、「もし切れたどうなるのか?」というと、もちろんエンジンは止まって不動になってしまう。問題はエンジンの内部で、ピストンとバルブの動きが連動しなくなるので、バルブクラッシュが発生して、バルブの軸が曲がったり、ピストンにキズが付くことがある。また、バルブが大きく曲がるとシリンダー壁にも当たって、最悪の場合、エンジンはオシャカというのが本来だ。

 最近のエンジンでは、ピストンとバルブが近づいても当たらないように、ピストンの頭にくぼみを作って逃がすようになっているので、深刻なダメージは発生しないようになってはいる。このような大きなリスクを避けるために、10万km毎の交換を推奨しているわけだ。


近藤暁史 KONDO AKIHUMI

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