この記事をまとめると
■日本は輸入車の購入率が非常に低く、新車販売全体の9%ほどとなっている。
■それでも2000年から2010年頃に比べれば少しだが割合は増えてきた
■BMWミニ、ジープ、メルセデス・ベンツは好調に販売台数を伸ばしている
日本は世界的に見ても輸入車が全然売れてない!?
いわゆる自動車先進国のなかで、日本ほど海外メーカー車を買わない国は珍しい。日本には乗用車メーカーだけでも8社あるのに、海外メーカー車のノックダウン生産は行われていない。国内で生産されるのは日本メーカー車だけだ。
そして、輸入される海外メーカー車の販売比率も低い。2023年上半期(1〜6月)に国内で販売された小型/普通乗用車のうち、輸入乗用車の割合は約9%であった。
しかも日本では、輸入車が含まれない軽自動車の販売比率が高い。そのために軽自動車まで含めた乗用車全体に占める輸入車の販売比率は6%まで下がる。
それでも過去を振り返ると、輸入車の販売比率は増えてきた。2000年から2010年頃は、小型/普通乗用車に占める輸入乗用車比率は7%前後で、軽自動車を含めると5%程度に留まっていたからだ。それが今は前述の9%、6%になる。日本の輸入車販売比率は、諸外国に比べると依然として低いが、2010年以降は拡大傾向に入ってきた。
2000年頃に比べて輸入台数を増やしたメーカーやブランドとして、まず挙げられるのがBMWミニだ。BMWがミニブランドを用意するようになった2000年代の前半は、1年間の販売台数が1万台少々だったが、近年では2万台前後に達する。2017年と2018年は2万5000台を超えた。
ジープブランドも急増している。2000年代の登録台数は1年間に2000台少々だったが、2021年は1万4000台を上まわり約7倍に達した。ボルボは、2000年頃は1年間の販売台数が1万5000台前後だったが、2010年頃は1万台程度に減り、今は再び1万6000台前後まで盛り返している。
メルセデス・ベンツは、2012年までは3万台から4万台で推移していたが、SUVの充実などにより、2013年以降は5万台から6万5000台に達する。
逆に輸入車の最多販売ブランドだったフォルクスワーゲンは、2000年代の中盤には1年間に5万5000台から6万台を販売したが、2020年から2022年は3万5000台前後に減った。輸入車のブランド別販売ランキング順位も、今はメルセデス・ベンツ、BMWに次ぐ3位になる。
以上のように輸入車の国内シェアは、BMWミニ、ジープ、ボルボなどの中堅ブランドが増えたことで拡大傾向にある。ユーザーの好みを反映して、SUVに対する力の入れ方によって伸び方が左右される傾向が強い。
フォルクスワーゲンは、北米におけるディーゼル車規制の不正問題でイメージを落とし、SUVでも乗り遅れて売れ行きを下げた。