SUVスタイルの新型センチュリーは結婚式や葬儀でアリorナシ? クルマのドレスコードを考えてみた (2/2ページ)

葬儀には明るい色のクルマがマナー違反と考える人が多い

 ところで一般論になるが、葬儀については参列者についても、明るい色のクルマで馳せ参じるのはマナー違反という声は少なくない。

 基本的には黒かグレー、ガンメタリックやホワイトは問題ないが、赤や黄、明るい青といったスポーツカーに多く使われるようなボディカラーで葬儀場に向かうのはNGと認識している人は多いだろう。そのためスポーツカーユーザーは、愛車で葬儀に向かったとしても、会場から離れたコインパーキングに入れるといった配慮が求められる。

 一方、結婚式などお祝いの席については、そこまでボディカラーのよる是非について厳しい見方はないようだ。主役のふたりが会場入りするクルマにしても、黒いハイヤーが基本となりつつ、明るいホワイトの送迎車というのも自然だったりする。結婚式であれば、新郎新婦がオープンカーで乗りつけるといった演出もけっしてあり得ない話ではない。

 そうした感覚からすると、結婚式と新型センチュリーという組み合わせにおいて、「白鶴(はっかく)」と名付けられたプレシャスホワイトパールとシルバーの新型センチュリーは、主役のふたりを運ぶショーファーカーとして、まったく問題なく受け入れられるだろう。

 しかしながら、「紅蓮(ぐれん)」と呼ばれるグローリーレッドとシルバーのツートーンカラーの新型センチュリーが、披露宴会場に新郎新婦を乗せてくるというのは、まだ多くの人にとっては違和感があるのではないだろうか。

 クルマのカタチや色にこだわらないという世代もいるだろうし、新しいスタイルを受け入れる柔軟な人も少なくないだろう。とはいえ、旧来からのTPOやマナーといった価値観を持っている人は、ドレスコードに合わないクルマを使うことに眉をひそめることだろう。

 視点を変えると、新型センチュリーの登場によって、ショーファーカーのパラダイムシフトは起き始めているという見方もできる。将来的には、フォーマルな場にはセダンだけがマナー的に正解とはならず、新型センチュリーの姿が自然に溶け込み、ドレスコードとしての違和感もないといった状況になっているかもしれない。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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