なつかしの旧車クーペから実用的な後席をもつものを紹介!
と、ここまではスポーティなルックス、高性能なスペックを持つ”後席が意外に使える”2ドアスポーツクーペを紹介してきたが、”スポーツ”を外せば、後席がかなり実用的なクーペは数多く存在した。
たとえば、筆者の1台目の愛車、いすゞ117クーペ。実際、両親と彼女を乗せて、ロングドライブに何回も出かけた経験があり、筆者も後席でドライブを楽しんだこともあるのだが、後席はガラス面積が広く、解放感があり、ヘッドクリアランス、ニースペースともに、平均的な日本人の体形ならまったくもって不満なく乗っていられたのである。ちなみに、リヤシートの左右それぞれに灰皿が、またリヤ用のヒーターダクトも装備されていた。
上級パーソナルクーペとして一世を風靡したホンダ・レジェンドクーペ(2代目)の後席も広く、閉鎖感皆無。セダンベースのクーペの実用度の高さが発揮された1台と言っていい。
ところで、比較的手ごろな価格で買えたトヨタ86(ZN6型2012年~)の後席は、たしかに大人には窮屈すぎるスペースではあるものの、夫婦+小柄な人または小さな子どもひとりなら、不自由なく使える2ドアスポーツカーだった(子どもを抱っこしての乗降性はともかくとして)。そもそも、こうしたクルマに大人3~4名の乗車は、ぎゅうぎゅう詰め感があって、キャラクターに似合わないが……。
最後に、例えばレクサス SC430(トヨタ 4代目ソアラ)のように、大人がほぼ座れない後席がオマケのように付けられている理由を説明すると、たとえばSC430の主力市場でもある北米では、ふたり乗りと4人乗りでは保険料がまったく違う、というか、ふたり乗りだと倍以上高くなることの回避策のためだと考えていい。
つまり、レクサス SC430(ソアラ)は本来2シーターのクルマということだ。このほかにもこういったクルマはあるが、これらのパッケージの2ドアクーペは、後席に座れる、座れない以前に、乗降もまたアクロバティックな姿勢となり、大変であることも理解しておきたい。