この記事をまとめると
■スポーティなルックスで人気が高いのが2ドアクーペボディだ
■2ドアクーペ4ドアセダンに比べて往々にして後席が狭め
■そんなクーペのなかでも大人4乗が余裕なモデルを紹介する
2ドアクーペでもリヤシートを諦める必要なし!
スポーティなクルマが欲しいファミリーマンにとって悩みどころなのは、後席の実用性ではないだろうか。本格2座のスポーツカーは泣く泣く諦めるとしても、スポーティな2ドアクーペのルックスは譲れず、しかし後席に小柄な大人や子供が不満なく座れるパッケージング、使える後席は不可欠だろう。
そんな悩みに応えてくれるクルマは決して多くはないが、まったくないわけではない。
たとえば12代目スカイライン(V36型)のクーペがある。個人的にはフェアレディZの2by2の後継車ぐらいに思っていたほどで、スタイリッシュな2ドアクーペスタイルにして、全長、ホイールベースともにセダンより短くはなっていたものの、セダンとそう大きく違わない後席の広さ、居住性を備えていた。セダンベースのクーペならではのパッケージングというわけだ。
その流れでいくと、R33GT-Rは、R32、R34より室内長が長く、歴代GT-Rのなかでは後席に余裕がある1台と言っていい。
ちなみに最新のGT-Rは身長165cm以下、前席の乗員が前寄りのドライビングポジションなら、なんとか座れるイメージ。つま先が前席の下に入るのも、窮屈さを感じにくいポイントだろう。頭の真上はリヤウインドウですけど……。
後席の居住性を重視するなら、ある程度のボディサイズは不可欠で、なおかつ国民に長身長の人が多い欧米の2ドアクーペにアドバンテージがあるのは当然。
たとえばメルセデス・ベンツのEクラスクーペだ。ベースはもちろんEクラスであり、シートはこの種のクルマの例にたがわず2座だが、+2の域を超えている。と、言うのも身長172cmの筆者のドライビングポジションで設定した運転席背後に座っても、まったく窮屈さなし。
むしろパーソナル感ある豪華な居住感さえ得られたほどだ。メルセデス・ベンツの中上級クラスのクーペは、かつてのSクラス、Eクラス、Cクラスであっても、後席に失礼のないパッケージングが与えられていると言っていい。
一見、後席は狭そう……、と思えるBMW4シリーズ・グランクーペも「意外なほどきちんと座れる」後席の持ち主だ。ニースペースはそれほどでもないのだが、2座の豪華なシート座面が深く掘れているため、頭上方向には流麗なクーペらしからぬ、余裕あるスペースが確保されている。