1カ月に2回も追突される悲劇! でもその悲劇が彼女との愛を育んだ!? 自動車ライターが経験したクルマとんでも事件簿【青山尚暉編】 (2/2ページ)

送り迎えをしてくれた当時の彼女はいま……

 ボクのむち打ち症は1カ月に2度の追突被害でさらに悪化。フェアレディZを運転してくれていた、むち打ち症になった当時の彼女(愛車は初代RX-7)と一緒に、すでに通っていた接骨院に、記憶では何カ月もタクシーで通うことになったのだった。当然、その間、クルマの運転などできない。クルマに乗り込めばイタタ……、ブレーキングで首がイタタ……、シフトでイタタ……なんていう状況だから、クルマに乗ることも、クルマの仕事もできない日々が続いたのだが、療養していてもっとも困ったのが、自身で頭を揺らすシャンプーが、首の痛さからできないこと。

 それを彼女に伝えたら、本人だって首が痛いはずなのに、週に2度ぐらい、がんばって自宅のバスルームで、お互いコルセットを装着した状態で、そっと上手にシャンプーしてくれたのである(泣)。

 その彼女とはそうした約半年間、いっしょに接骨院に通った付き合いとなり、関係が深まったのはもちろんだ。そのRX-7のマニュアルミッション車を乗りこなしていた(!!)シャンプーまでしてくれた彼女とはその後、どうなったのかって?

 えーっと、いまのカミサンである。追突事故が紡いだかも知れない関係は、もう何十年と続いている……。

 いまはスバルのアイサイトがPRするように、カメラや衝突軽減ブレーキの普及、搭載で追突事故は激減している時代だけど、当時はそんなものはなく、追突事故は日常茶飯事の出来事だったように記憶する。あの、ガチャーン、ドーンという衝撃音、ガックンと首が大きく振られ痛みが走る衝撃は、もうまっぴらだ。

 かつて、レクサスのプレス向けの試乗会で、九州の使われなくなった飛行場で追突被害低減機能(シートベルトやヘッドレストが対応)の体験をしたのだが、その機能を「神」とあがめたものだった。いまでも、信号待ちなどで一時停止している際、後ろのクルマの様子が気になったりするのだが、それが最新の先進運転支援機能付きのクルマ、スバルのアイサイト装着車だと、なんだか、100%ではないにしても、安心できたりして……。

 それにしても、大昔の話とはいえ、1カ月に2度追突されるなんて、二度と経験したくない困ったクルマの事件簿である。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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