趣味で「ドリフト走行」をやってみたい! ゼロからの挑戦は何をどうすればいいのか? (2/2ページ)

ドリフト「しやすい」クルマへの基本的なカスタムと費用

 車種が決まったら走りの準備をしましょう。まずはタイヤです。純正のタイヤは安全マージンが高めの設定なので、ドリフトを楽しむにはグリップが高すぎる場合が多いんです。なのでリヤタイヤだけグレードダウンさせるとグリップが下がってケツを振り出しやすくなります。カンタンに言ってしまうと“安いタイヤ”がいいでしょう。たとえば純正が205幅だったら185幅にして、再生タイヤや安いアジアメーカーの物を選びます。このとき、このタイヤに合う安いホイールとセットで用意すれば、サーキットで履き替えて走行できるので無駄がありません。

 タイヤとホイールの標準的な費用は、タイヤ代が1本7千円×4=2万8千円。ホイールは中古で4本2万円くらいで入手できるので、合計で5〜6万円といったところでしょう。

 基本的に“お試し”程度ならタイヤの変更である程度のドリフトチャレンジはおこなえると思いますが、それでドリフトに目覚めてしまった場合は、もう少し車体のカスタムをすることで、操作がより楽しくなります。

 まず車体の動きを固めることです。ロールやピッチングなどの挙動も抑えられるので、操作への反応が良くなり、自分の思い通りに動かせられるようになります。換えるパーツは前後のダンパーで、いわゆる“車高調”というやつです。正確には「車高調整式ダンパー」と言い、その名のとおり車高を調整できる機能が付いています。

 この機能を使って車高を下げてやることで、車体の挙動が抑えられるのです。それに加えて車高調のダンパーは減衰力が高めの物がセットされているので、サスペンションの動きがさらに抑えられます。ブレーキングの時にノーマルが「ぐう〜ん」だとしたら、車高調は「ぐぐっ」という感じです。

 車高調の導入費用ですが、今はだいぶリーズナブルな物が出ているので、下は1台分10万円台前半から、上は数十万円まであります。

 続いて操作系のパーツに目を向けていきましょう。まずはステアリング。ノーマルでも出来ないことはありませんが、エアバッグ付きのモッコリしたものだと、素早い操作のときに指が当たったりしてよろしくありません。細身のスポーティなタイプに交換することで、それがかなり解消されます。直径や太さの他、ドリフト用にグリップ部が手前にオフセットされた物もあるので好みに合わせて選びましょう。価格はステアリングボスとセットで3万円くらい見ておけば選択肢は多いと思います。

 次はサイドブレーキです。ケツを振るきっかけにサイドブレーキでリヤタイヤだけロックさせるのは普通に使われる方法です。そのときにいちいちボタンを押して解除していては煩わしいことこの上ないので、普段はフリー状態で固定したいときだけ操作するように出来る「スピンターンノブ」というパーツがあります。サイドブレーキの先端にアルミのパーツが付いていたら「ドリフトやってるんだな」と思ってほぼ間違いありません。部品代は2〜3千円から買えます。

 あと室内でいうと、「4点式シートベルト」があるといいでしょう。車体を左右に振り返したり、ブレーキの直後にアクセル全開したりするので、室内もぐわんぐわんしています。身体をある程度固定してくれるベルトがあると、操作に集中できるのでオススメです。あとは単純にクルマをぶつけたときに守ってくれるのも安心です。価格は、数千円の安い品もあるようですが、命を守る部品と考えるとメジャーなメーカーのものが良いと思いますので、1万円後半くらいは見ておいたほうが良いと思います。

 本気になってきたらシートも“フルバケットタイプ”に交換した方が良いと思いますが、価格が数万円〜となりますので、初めのうちは純正シートで頑張ってみても良いのではないかと思います。

 あと、車体のカスタムとは別に必要な装備として、ヘルメットとグローブはサーキット走行には欠かせません。価格はヘルメットが2万円〜、グローブが5千円〜という感じです。

 サーキット走行の際には、ある程度の工具もあったほうが良いでしょう。ボックスレンチのセットや、フロアジャッキ、作業用のグローブなどなど。合計で2万円くらい見ておけば揃えられると思います。

 費用面をまとめてみると、お試しのタイヤのセットだけなら5〜6万円+ヘルメット&グローブの2万5千円で約8万円ほど。そこからハマってしまった場合は足まわりや操作系の装備など用意するのでイッキに増えて30万円くらいになります。

サーキットの走行費用ってどれくらい?

 最後に簡単にサーキットの走行費用を紹介しておきます。もっともお手軽なのは、ショップやオーナーズクラブなどが催している“走行会”に参加することです。費用は1万5千円くらいからあるようですが、場所や参加人数によってまちまちです。走行会の良いところは、初心者でもいろいろ教えてくれる人がいるので心強いのと、ぶつけてしまったときにも助けてもらえる可能性が高い点です。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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