納期遅延の目立っていたトヨタの人気車が「一時的」な受注再開
登録車では、トヨタの人気車で納期遅延が目立っていたモデルの納期が、一時的に短くなっていることが8月のトピックといえよう。改良を直前に控えていたカローラ・クロスは短期間で現行モデルの新規受注を再開、しかも数カ月レベルの納期で一時的に販売していた。
「現状ではハリアーが売れ筋のZレザーパッケージでも年内納車が間に合いそうといったレベルになっています。RAV4もいまなら年内納車も十分期待できるそうです(いずれも本稿執筆時点)」とは事情通。ただ、あくまで“タイムセール”のようなレベルの短期限定での話になるようだ。納期トラブルを避けるために、トヨタではかなり緻密な生産計画を立てているとのこと。
当初の計画で新規受注を停止させながら生産を進めるなかで、追加で生産できる余力が発生すると短納期での新規受注を一時的に再開しているようである。「新型アルファード&ヴェルファイアもスポットでときどき1台といったレベルで新規受注可能になることがあるそうです」(事情通)。
8月最終週になると、例年どおりホンダが「プレミアム決算フェア」のテレビコマーシャルを流しはじめた。目玉は現行N-BOXとフリード。両車は在庫車で、希望があれば9月中納車も夢ではないほど短納期となっている(本稿執筆時点)。
とくにN-BOXはすでに次期型の先行予約も開始している。次期型も売りたいところだが、軽自動車はモデル末期で熟成したタイミングで値引き拡大している時期によく売れるのも特徴のひとつ。とくに次期型では、割高感を抱くお客も多くなりそうなので、そのようなお客には「現行型はいかがですか」と勧めることができるのである。
日産サクラのようにBEV(バッテリー電気自動車)になったり、見た目が大きく変わるようなことがないので、再販価値も目立って落ち込むことはなく、大幅値引きで買えれば現行型を買うほうが“賢い買い物”ともいえるのである。
フリードはN-BOXのモデルチェンジが優先され、モデルチェンジが延期されているとも聞いている。ライバルのシエンタはハイブリッドで納車予定が2024年3月ぐらい以降とそれほど待たないで済むという、トヨタ車では許容範囲にもなっているので(新規受注停止しているよりはマシ)、モデルが古い分だけに購入条件(値引きなど)で勝負ということになる。
9月の事業年度締め上半期締め決算セールはホンダ主導で進みそうである。とくにN-BOXの現行モデルは事実上ファイナルセールと捉えて動いたほうがいいだろう。