ついに顔面全体がキドニーグリル化! スゴイデザインと話題の「BMWヴィジョン・ノイエクラッセ」の何がスゴイのか分析してみた (2/2ページ)

新しいだけでなくレガシーをアレンジして取り込んだディテール

●1980年代デザインを新たに解釈したディテール

「スゴイ!」点のふたつ目は、各パートにもE30型の1980年代的特徴が巧妙に織り込まれていること。フロントには「いよいよ顔全部がグリルになってしまった」なんて声もありますが、じつはキドニーを横に広げて当時の独立型グリルを再現している点がユニークです。

 これはテールランプも同じで、当時流行の大型ランプを巧く現代風にアレンジしているのです。

 また、ボディに対してグラスエリアの広い大きなキャビンも1980年代の特徴。これらグリル、テールランプ、キャビンの各要素の組み合わせが、先進的でありつつどこか懐かしさを感じさせる理由で、見る人に一種の安心感も与えます。

 最後の「スゴイ!」は、凝縮したボディにありがちな肥大感を防ぐボディスリム化です。同車のサイド面を見るとドア下がザクッと削がれていますが、このラインは前後のバンパー部につながっていて、下半身全体を軽くしているのです。ボディ底部は素材色のパーツで囲まれており、アクセントと同時にサスティナブルな印象をも与えています。

 さて、今回はヴィジョン・ノイエクラッセのエクステリアをチェックしてみました。最近は巨大グリルばかりが話題のBMWとしては、「スゴイ!」というより「待ってました!」という変化かもしれません。

 1点心配なのは、3月に発表された「i Vision Dee」に比べると、より市販型に近づいたことで若干要素が増えていることでしょうか。

 できれば、ほぼこのままのスタイルでデビューすることを期待したいと思います。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

愛車
いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
趣味
オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
好きな有名人
筒井康隆 /三谷幸喜/永六輔/渡辺貞夫/矢野顕子/上原ひろみ

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