「お触り厳禁」的なイマドキのクルマでもできることはある! 素人でも可能な「愛車のセルフメンテ」項目3つと詳細手順 (2/2ページ)

予行練習しておくとイザというとき助かるかも

2)出先で必要性に遭遇するかも? ホイール交換を練習しよう!

「なんか重そうだし、汚いし……」と敬遠する人もいそうなホイール交換ですが、長く走っていると、パンクに遭遇することもあります。運が悪かったね、という頻度のレベルですが、万が一そんな目に遭ってしまったときに「なにもできない」、というのは避けたいところです。未経験の人にはハードルが高いかもしれませんが、時間を作って予行演習にチャレンジしておけば、トラブルにも落ち着いて対処できるでしょう。

 用意する主な工具は、車載工具の「ジャッキ」&「輪留め」、車体支持用の「ウマ」、そして「十字レンチ」と呼ばれる十字型の工具です。

 4箇所の先端は車種やメーカーで異なるホイールナットのサイズに対応したボックスレンチが備わっていますので、自分のクルマのホイールナットにピタッと収まるのを探します。

 以下の手順を箇条書きで説明します。

①:サイドブレーキがしっかりかかっているかを確認して、作業しないタイヤに輪留めをセット。

②:ジャッキを操作して車体のジャッキアップポイント(車種ごとに異なります)にジャッキの頭をセット。車体が少し持ち上がったところで止めておきます。

③:ホイールナットに十字レンチをセット。両手でしっかり持って反時計まわりにまわします。
※緩まないからといってレンチに乗ったり蹴ったりするのはやめましょう。破損の恐れがあります。

④:ひとつ緩んだらそこでやめて、次になるべく対角にあるナットを緩めて……を繰り返してすべてのナットが緩んだ状態にしておきます。

⑤:ジャッキを操作して、タイヤが地面から離れるまで持ち上げます

⑥:ホイールナットを完全に緩めて外します。

⑦:持ち上げる姿勢を作ってタイヤをしっかり持って、浮かせながら引き抜きます。
※リヤタイヤの場合は、サイドブレーキを緩めないと外れない車種もあります。

⑧:タイヤが外れました。

 せっかくタイヤが外れたので、足まわりや車体に変なシミや傷などが無いかを点検しておきましょう。ついでにホイールの裏側を洗浄してあげるとスッキリするでしょう。次に取り付けです。

ホイールを装着します。

②:車体側のホイールボルトとホイールの穴が合うように向きを確認し、ホイールを持ち上げて収めます。このとき足のつま先をタイヤの下に当てて支えると位置調整がしやすいと思います。

③:ホイールナットを手でまわるところまで締め込んでから、十字レンチで「キュッ」と感じるところまで締めます。

④:タイヤが接地してサスが少し沈むまでジャッキを下げて止めます。

⑤:ホイールが空転しなくなったところでホイールナットを本締めします。
※締め付けにはメーカーが規定したトルクがありますが、トルクを管理するには専用工具が必要になりますので、ない場合の目安として、腕の力だけで締め込めるところから中腰になって「グッ」と短く体全体で締め込むと良いと思います。「グゥ〜〜」っと長くまわしてしまうと締めすぎの危険性が増しますので注意しましょう。念のためにその足でディーラーやカー用品店、またはタイヤ屋さんに行って規定トルクで締め直してもらう(有料)と心配がなくなると思います

 作業時間の目安としては、初めての場合は1本あたり20〜30分を見ておくと良いでしょう。タイヤを外した状態でジャッキが外れてしまうのがもっとも危険なので、作業する場所は斜面でなく平坦で、凸凹の少ない路面の上でおこないましょう。砂利敷きの地面などは危険なのでNGです。

 ちなみに、純正採用が多い18インチ以上の大径ホイールは女性ひとりでは持ち上がらないものもあると思いますので、はじめて挑戦するのには向いていないかもしれません。軽自動車での練習がオススメです。

3)やってみれば意外と簡単? オイル交換

 作業自体は「オイルを抜いて入れ直すだけでしょ?」と、そのとおり単純な作業なんですが、実際にやるとなると、車体の下に潜ったり、古いオイルの処理が地味に面倒だったりと、想像よりも煩わしいという作業がオイル交換です。「実際にやってみたけど、結局業者さんに任せたほうが楽だな」という結論に至った人もいるでしょう。しかし、「オイルとはエンジンにとっての血液みたいなもの」とよく言われるように、エンジンの状態を確認するのにいちばん確実なのがオイル交換でもあるんです。抜き取ったオイルを見れば、エンジンの状態がある程度診断できるというわけです。

 用意する工具(道具)は、車体支持用の「ウマ」、ドレンボルトを緩める「メガネレンチ」、オイルを計量し注入する「オイルジョッキ」、排出オイルを受ける「バット(桶)」、抜いたオイルを廃棄するための「廃油処理ボックス」、あとは「ペーパーウエス」と「パーツクリーナー」があると万全です。

 以下の手順を箇条書きで説明します。

①:エンジンを暖機させてオイルを温めて抜き取りやすくしておきます。

②:平坦なところで車体前側をジャッキアップします。
※車体支持用の「ウマ」は必ずセットしましょう。ジャッキだけでは不安定で危険が残ります。

③:車体の下に潜ってドレンボルトを緩めます。アンダーカバーがあるクルマはカバーを外しましょう。ボルトを抜き取る前に、その真下にバットをセットします。自分にオイルがかからないように真下から避けて作業します。
※ドレンボルトは熱くなっていますし、ボルトを抜くときに手に熱いオイルがかかることもあるので、ゴム手袋で作業すると良いと思います。

④:エンジンの上部にあるオイルキャップを緩めて外します。

⑤:しばらく待ってドレン穴からオイルが垂れなくなったら、洗浄して新品のメタルワッシャーに交換したドレンボルトをセットして、締め込みます。

⑥:オイルをオイルジョッキで規定量計って注入口から注入します。

⑦:オイルキャップを締めたらエンジンを1〜2分かけて止めます。

⑧:エンジンサイドにあるレベルゲージを引き抜き、先端をウエスで拭き取って戻します。再度引き抜いて先端を確認。LowとHighの真ん中付近までオイルが付着していればOKです。

 以上がオイル交換の手順となります。

 作業的にはドレンボルトを緩めるときに仰向けで力が入りづらく、ムリして車体を揺すらないようにすることが一番の注意点でしょうか。このような要点に注意して準備をきちっとしておけば、決して難しい作業ではないので、慣れた人に付き添ってもらうなどして、ぜひ挑戦してみてください。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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