中国車であることがクローズアップされる報道に中国企業も嫌気
奇数年に隔年開催されるIAAと同じく、奇数年に開催されてきたのが東京モーターショーだ。今回は「ジャパンモビリティショー」と名前を変え、10月末より開催される。
それではジャパンモビリティショーはどんな感じになるのか考えてみると、いまのところ話題となっているのが、直近デビュー予定のHEV(ハイブリッド車)など、ICE(内燃機関)を搭載したモデルがこぞって展示されるのではないかといわれている。
あくまで想像の域を脱しないが、次期日産エルグランドや次期ホンダ・フリード、次期ホンダN-BOXやトヨタ・クラウンスポーツ、トヨタ・センチュリーSUVあたりも、事実上ジャパンモビリティショーで一般への実車初披露となるかもしれない(主催者はこのような展示内容にしないよう“お願い”しているとの情報もある)。
IAAモビリティ2023に出てくるようなNEVモデルはないのかと情報を探ると、いすゞと日野の合弁バス製造会社である“Jバス”が近々正式発売を予定している、純国産BEV路線バスぐらいしかないのではないかとの話もある。
ある事情通は、「電動キックボードのようなマイクロモビリティばかりが目立つショーになるかもしれません」と語ってくれた。それでは、すでにBYDも日本市場で車両販売しているのだから、賑やかしも兼ねてIAAモビリティ2023のように、BEVを引っ提げて中国メーカーに出展してもらってもいいのではないかとも思うのだが、中国側はあまり前向きには考えていないようである。
「日本のオートショーに出展すれば大手マスコミが偏向した内容で“中国車”というのをことさらクローズアップして報道するので、中国サイドでは出展メリットがほとんどないと考えているとも聞いたことがあります(いまの政治状況を考えるとなおさら)。BYDはすでに国内販売もしているので出展するようですが、そのほかの中国系メーカーの出展というのはまずないでしょう」とは事情通。
今回のジャパンモビリティショーにおいて世界が驚くような最新トピックを提供するというシチュエーションはなかなか想像できない。それなら、いっそのこと軽自動車をメインに展示するなど、日本市場及び日本車のガラパゴスぶりを強調したほうが、世界的にはコアなマニアの心をしっかり掴むことができそうで、有意義なショーになるかもしれない。