当時の人たちからすれば苦い思い出にも
ターボラグ
ターボチャージャーは、エンジンの排気ガスを使ってコンプレッサーをまわす仕組みなので、コンプレッサーを力強くまわし、ターボを効かせるためにはある程度の回転数が必要。しかし、クルマは走行中、加速と減速を繰り返すので、減速時、アクセルをオフにして回転数を下げてしまうと、低回転からアクセルを踏んで、再びターボが効きだす回転数になるまでは若干のラグが生じてしまう。これがいわゆるターボラグ。
しかし、最新のターボ車は、レスポンスのいいボールベアリングタービンを使ったり、多段ATが増えたり、ダウンサイジングターボを中心に、少ない排気エネルギーでも効率よく回転する、小径タービンを採用しているので、ストレスを感じさせるほどターボラグラグが大きなクルマはかなり少数派だ。
トルクがスカスカ
エンジンのトルクには山があり、回転が上昇するにつれてトルクが大きくなっていくが、やがてピークを迎えて、あとは回転数が上がっても、トルク自体は小さくなっていく宿命にある。そのため、実用域を重視すると、低速トルクは大きいが、高回転ではスカスカになり、反対に高回転を重視すると低回転がスカスカに……。
しかし現在は、技術の進歩で、可変バルブタイミングやホンダのVTECのようにバルタイだけでなくリフト量まで可変させたり、ターボチャージャーと組み合わせたりすることで、ピークトルクが1600回転から4500回転までキープさせるような、トルクバンドが幅広いエンジンも登場して、虚実でいえば、アイドリングに近い低回転から高回転までスカスカ領域のない、全域「実」のエンジンに近づいてきている。
ガソリンがぶ飲み
環境性能、燃費性能が重視される昨今と違い、バブルの頃は燃費を気にする人も少なく、ガソリンをがぶ飲みする大食らいなクルマも多かった。
ターボ車では3ローターのユーノスコスモやRX-7、スカイラインGT-R。これらは街乗りだとリッター5km以下のことも!
NAではスバルのアルシオーネSVX(街乗りでリッター4〜5km)。じつはユーノスロードスター(NA6)も1.6リッターのNAで120馬力しかないのに、リッター10kmも走らないことが多かった! もうこういうガソリンがぶ飲みのクルマは出てこないだろう。
ボディがヘロヘロ
ボディ剛性が低いクルマのこと。ボディ剛性の重要性はメーカーも知り尽くしているので、「ボディ剛性がいまひとつ」とか、「サスの取り付け剛性がやや足りない」といわれるクルマがあったとしても、「ヘロヘロ」「やわやわ」とか、ボディ剛性がまったく足りないと酷評されるクルマは、今後出てくるとは思えない。
以上、いまでは懐かしいネガティブフレーズだが、これからも指摘され続ける点があるとすれば、ブレーキの容量不足。それから車重の重さとか、車体が大きすぎるといったところだろう。あとはカッコ悪いとか、エンジン音が寂しいといった主観的な部分。
なかなか完全無欠のクルマを作るのは難しいので、ネガティブフレーズがなくなる日は遠いのかもしれない……。