新型トライトンは日本で成功するか!? ガチライバル「ハイラックス」と「同じ土俵じゃない」難しさとは (2/2ページ)

トヨタ店の富裕層は「面白い」でハイラックスを購入することも

 トヨタ店といえばかつてはクラウンを専売してきており、全車を扱うようになってからはアルファードが専売だったトヨペット店並みにアルファードを販売するようになった。クラウンだけでなく、ランドクルーザー系も長い間専売してきたこともあり、地元の有力企業経営者を中心とした富裕ユーザーを多く抱えている。このような富裕ユーザーでは当然複数保有も当たり前となり、メインではクラウンを乗りながら、試しにFCEV(燃料電池車)のミライも所有するというのも珍しくないとのこと。ハイラックスもいわゆる“現場”を持つような職種の企業経営者ならば、現場をまわるといった仕事用にも使えるので、ハイラックスを複数保有するマイカーの1台にするといった需要も目立っているようである。ハイラックスが好きで乗る人もいるが、「社長こんなのもありますよ」とセールスマンが勧めて、「面白いねえ」といったやりとりでハイラックスが売れるということも目立つのである。

 新型トライトンの日本市場導入に水を差すわけではないが、トライトンがハイラックスの“二匹目のどじょう”を狙っているのならば、それは少々難しいかもしれない。50万円や60万円の値引き販売が行われていたとされるハイラックスだが、本稿執筆時点でまもなく改良されるとの情報がある。そして販売現場では改良後はそこまで値引きが荒れることはないので、売れ行きにも影響が出るかもしれないとの話も出ている。

 トライトンが世界的インフレ傾向のなか、物価高に苦しむ日本でデビューするのだから、“値引きなし”はなくとも、50万円引きや60万円引きほど荒れた値引き販売はまず行わないだろう。さらには、三菱車にはコアなファンも多いと聞くので、発売立ち上がりからしばらくは堅調なセールスが続いたとしても、ハイラックスのように国内導入からアベレージで年間平均6000台売り続けられるかという話もある。そもそも、そこまで売るつもりがないとなれば、車両価格に跳ね返ってしまう(車両価格が高くなる)だろう。同じ右ハンドルの国のタイでよく売れているのだから……、といった話はよく聞くが同じ右ハンドルでも日本の法規は結構ガラパゴスで法規対応にコストがかかると聞いたことがある。

  

 またトヨタ店ほど“面白い”というだけでポンと買ってくれる環境が、三菱系正規ディーラーに整っているのかも気になるところである。

 そして最後、“そんなの気にしてクルマ買うな”とお叱りを受けることもあるのだが、再販価値の高さも魅力的なようだ。趣味性の高いクルマなので、売り先やドレスアップの有無などでも変わりやすいようだが、いろいろ調べてみると中古車市場でも高い人気なので、再販価値が高めに推移しているのは間違いないようである。

 ハイラックスという宿敵を新型トライトンがどこまで追撃していくのか、じつに楽しみである。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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