業界外の人にはもはや意味不明!?
「歴」
お察しのとおり、修復歴のこと。いまでは公取によって修復歴の有無を申告することが義務付けられていますが、その昔は「バレなきゃいいや」とばかりに黙っている業者も少なからず存在しました。ちなみに、修復歴といえばぶつけた、こすった、あるいは追突されたといった事故の修復を指すことがほとんどですが、事故ってなくても全塗装(オールペン)をしたタマは「歴アリ」にカウントされます。
いろんな意味であらゆる歴が塗り替えられてしまうので、業者間では保険として「歴」と呼んでいるのでしょう。
「ニウム」「ケイゴ」
クルマ業界のなかでも、とりわけベテランの職人さんが口にするかと。「そのニウム管、外しちゃダメ!」とか「ケイゴなんか使うから壊れんだ!」などなど。つまり、ニウムもケイゴも同じくアルミニウムを指した言葉で、ちょい古世代にとって軽合金といえばアルミニウム一択だったのです。なお、知ったかぶってマグネシウムを「シウム」と略しても、職人さんには通用しないので「マグ」と呼びましょう。
ちなみに、筆者が頼りにしているベテランが鋼材といったら「クロモリ(クロームモリブデン鋼)」で、わざわざ「ハイテン」といったらハイテンションスチール=高張力鋼、いまは懐かしいスウェーデン鋼のことは「サンド」と呼んだりしていました。これは、はじめに日本にもってきたのがサンドヴィクという商社だったからだそうです。