ミニバンは後席が命! というわけで2列目席の広さ選手権を開催してみたら「やっぱり」な結果だった (2/2ページ)

まもなく日本再導入のオデッセイがトヨタ以外で唯一ランクイン

 3位は、日本の多人数乗用車のパイオニア的存在の1台と言っていいホンダ・オデッセイで、ついに両側スライドドアを備えた、5代目の7人乗りキャプテンシート仕様のプレミアムクレードルシートの780mm(最大スライド量は740mm)である。

 シート背もたれの中折れ機構によってシートバックを倒しても頭が前を向くクレードル仕様で、シート表皮裏側に30mmのウレタンクッションが張り付けられたシート座り心地、寝心地はもう絶品だった。2022年9月にいったんオデッセイ28年の歴史に終止符を打ったものの、2023年秋には中国から輸入されるカタチで再登場。その進化にも期待したいところである。

 4位は現行型、4代目トヨタ・ノア&ヴォクシーがランクイン。2列目キャプテンシートでニースペースは最大600mm(シートスライド量最大745mm)である。

 先代のキャプテンシートは810mmものロングスライドが可能で、同じく最大600mmの広大な2列目席膝まわり空間を実現していたのだが、シート外側のリクライナーがロングスライド時にリヤホイールハウスと干渉するため、2座のキャプテンシートを中寄せスライドさせてロングスライドするしかなかった。そのため、ロングスライド時にはせっかくの折り畳みテーブルが使えず、2-3列目席スルー空間も犠牲になっていたのだ。

 ところが、新型ノア&ヴォクシーは、2列目キャプテンシートのリクライナーを内側に寄せ、ややシート幅を狭めることで、中寄せスライドさせることなく、745mmの”ストレート超ロングスライド”を可能にしているのだ。ゆえにカップホルダーやUSBソケットも用意される折り畳みテーブル(グレードによる)が、ロングスライド時でも使えるようになっている。2列目キャプテンシートのニースペースは先代と同じ最大600mmながら、ロングスライド時の使い勝手は向上。ただし、中寄せスライドを廃止したため、セレナやステップワゴンのような、キャプテン、ベンチのアレンジ自在……とはいかなくなっている。

 そして5位に、新型アルファード&ヴェルファイアのエグゼクティブパワーシート仕様の最大510mmがランクインということになる(先代エグゼクティブパワーシート仕様も5位タイ)。

 ちなみに後席ニースペースに驚かされるのはアルファードやノア&ヴォクシーのようなボックス型ミニバンだけではない。トヨタ・ルーミーの最大385mm、同種のスズキ・ソリオの最大360mmもかなり広い。

 また、スーパーハイト系軽自動車にしても、現行型N-BOX最大420mm、ルークス最大400mm、タント最大355mm、スペーシア最大340mmと、300mmを超えると「足もとがかなり広い」と感じ、500mmを超えると前席が遥か遠い感覚になるわけで、新型アルファード&ヴェルファイアは5位ながら、誰もが満足できる広大な後席(2列目席)ニースペースを持つクルマだと断言できる。それに新型アルファード&ヴェルファイアのエグゼクティブラウンジ仕様の車内の”驚異的な静かさ”が加われば、2列目席と前席に距離があっても、双方の会話は無理なく行えることになる。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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