新型を発表したのに「現行N-BOX」がバカ売れ! 8月の販売台数が驚異的だった (2/2ページ)

9月はN-BOXとフリードの“末期モデルコンビ”が大暴れしそうな予感

 シエンタはHEV(ハイブリッド車)がギリギリで納車が越年してしまう程度なのに対し、ガソリン車は2024年春以降納車予定となっている。これは、ライバルのフリードをラインアップするホンダがさまざまなモデルでHEVの生産を優先させるような動きを見せていることも影響しているようである。

 軽自動車は、次期型デビューが一連の不祥事もあって延期となっているムーヴが意外に健闘しているように見えるが、この多くはムーヴ・キャンバスとなっているといえよう。キャンバスは届け出済み未使用軽中古車の在庫も豊富となっている。届け出済み未使用軽中古車の“素”ともいえる、自社届け出(ディーラー名義などでナンバープレートを手配する)が盛んに行われていることが効いているようである。

 6月末に新型がデビューしたアルファード&ヴェルファイアは、アルファードが4865台なのに対し、ヴェルファイアは1829台となっている。リリースでは、ヴェルファイアの生産比率は全体の3割とされているが、8月の台数で計算してみると、約27%となっているので、計画どおり生産が進んでいるともいえることになる。

 2023年9月は2023事業年度(2023年4月から2024年3月)での上期(2023年4月から9月)末となり、半期決算セールが展開されるのだが、思い切りアピールしているのはホンダぐらいとなる。ホンダはN-BOXとフリードの“末期モデルコンビ”がかなり暴れるきざしを見せている。

 日産は9月中に届け出や登録が間に合い、上期末決算セールのカウントに間に合うというそこまで短納期車両は少ないのが現状だが、2023暦年内(2023年12月内)に納車可能なモデルはノートなど売れ筋でも期待できる。もともと半期決算セールにも熱心だったのでねらい目ともいえる。

 スズキもキャンペーンを展開しており積極姿勢を見せている。ただ、2023年8月のランキングを見てもわかるとおり、「納車まで待たないから」といった理由で、トヨタから流れてくるという図式はなかなか期待できないように見える。

 また、同クラスのトヨタ車が納期遅延で悩んでいるのに、自車もそれほど大きく納期が短いわけでもなく、「それならトヨタ車で待ってもいいか」とお客を逃がしてしまっているようなパターンも見受けられる。

 例年とは異なり、引き続き9月に無理してどこまで生産台数を増やせるかが、新車販売台数統計にも少なからず影響しているので、販売ランキングで上位を独占するぐらい販売しているのに、新規受注停止車両も目立つというのは少々違和感を覚えるところだが、そのような車種が販売ランキング上位に見られるのは、トヨタが日本国内において販売している新車台数が飛びぬけて多いということも表しているように見える。

2023年8月新車販売ランキング

ホンダN-BOX 1万6812台
トヨタ・ヤリス 1万4232台
ダイハツ・タント 1万950台
トヨタ・カローラ 1万201台
トヨタ・シエンタ 9636台
スズキ・スペーシア 8768台
トヨタ・ルーミー 8704台
スズキ・ハスラー 7268台
トヨタ・プリウス 7252台
トヨタ・ノア 7139台
ダイハツ・ムーヴ 7092台
トヨタ・ヴォクシー 6542台
日産ノート 6192台
日産セレナ 5790台
スズキ・ワゴンR 5590台
トヨタ・ライズ 5071台
トヨタ・アルファード 4865台
スズキ・アルト 4816台
日産ルークス 4610台
ダイハツ・タフト 4603台
ホンダ・フリード 4590台
トヨタ・アクア 4567台
ダイハツ・ミラ 4273台
トヨタ・ランドクルーザー 4111台
トヨタ・ハリアー 4062台
ホンダ・フィット 3751台
ホンダ・ステップワゴン 3700台
三菱デリカミニ/eKシリーズ 3593台
日産デイズ 3504台
ホンダ・ヴェゼル 3387台


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
趣味
乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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