この記事をまとめると
■トヨタGAZOOレーシングWRTのチーム代表ヤリ-マティ・ラトバラがラリー北海道にスポット参戦
■ラトバラは後続に1kmあたり1秒以上の差をつけるスーパーラップを連発
■ラトバラがラリー北海道で見せた世界レベルの走りは今後のJRCに良い化学反応をもたらすはずだ
伝説のラリードライバーはやっぱり桁違いに速かった
江戸時代の末期、鎖国を続けてきた日本は、突然現れた“黒船”に衝撃を受けることとなったが、全日本ラリー選手権の第7戦として9月8〜9日、北海道帯広市を拠点に開催された「ラリー北海道」でも、日本のラリーファンの多くが強い衝撃を受けていたことだろう。
強烈な旋風を巻き起こしたのはトヨタGAZOOレーシングWRTのチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラで、同大会にはドライバーとして全日本ラリー選手権にスポット参戦。ドライバーとして豊富なキャリアを持つユホ・ハンニネンをコ・ドライバーに起用し、Rally2規定をもとに開発されている「GRヤリスJP4-Rally2」を武器に圧倒的なパフォーマンスを披露したのである。
ラトバラの快進撃は8日のオープニングステージ、SS1「RIKUBETSU LONG1」から始まった。わずか4.6kmのショートステージながら、後続に5.6秒、つまり1kmあたり1秒以上の差をつけるスーパーアタックを披露。その後もラトバラは後続に1kmあたり1秒以上の差をつける圧巻の走りでリードを拡大し、後続に約1分52秒7秒の差をつけてレグ1をトップでフィニッシュした。
9日のレグ2でもラトバラの勢いは衰えることはなく、SSベストを連発。前日の雨の影響によりウエット路面で幕を開けたSS10の「SSS IKEDA 1」のみ、路面コンディションの好転後に出走した後続のドライバーたちが次々にベストタイムを更新し、先頭スタートのラトバラは5番手タイムに甘んじることとなったが、それ以外、つまり12回のうち11回でラトバラがベストタイムをマーク、ラトバラが同じくGRヤリスJP4-Rally2で2位入賞をはたした勝田範彦に対して、2分16秒4の差をつけてラリー北海道を制したのである。
ラトバラは北海道を舞台にしたラリー・ジャパンで2度のポディウムフィニッシュを果たしてはいるが、優勝は初めてであり、「2006年のPWRCでも2007年のWRCでも帯広で行われたラリージャパンではコースオフをしているので優勝できたことは非常にうれしい」と語る。