この記事をまとめると
■インドネシアの首都ジャカルタ市内を歩くと旧車を見かけることが多い
■微妙な年式の微妙なモデルにもかかわらず手入れが行き届いているクルマも多い
■東南アジアでは日本旧車だけでなく欧州旧車も元気に走っている
1980年代の旧車が元気に走り回っているジャカルタ
インドネシアのような新興国でもBEV(バッテリー電気自動車)などのNEV(新エネルギー車)が注目されるようになってきているが、街なかでは、意外なほどに旧車を見かける機会が多い。2022年にインドネシアの首都ジャカルタを訪れ、日曜日に市内を散策していたら、おもに1980年代の旧車が連なって走っている光景を目にした。
歴史的な名車は、前述したように日曜日に仲間内でパレードするなど趣味性の高い乗り方をしているが、その一方で、かなり微妙な年式の微妙なモデルが普通に走っていることも多い。高温多湿で雨季には道路冠水も多いなど、東南アジア地域におけるクルマを取り巻く環境はけっして良いとはいえない。そのなかで、日本ではあまり見かけなくなった旧車を見かけるのだが、手入れも行き届いているのに驚かされる。
これまでは、ジャカルタ市内の「パサールバル」という観光名所というか商店街の近くにあるホテルをジャカルタ市内の常宿にしていた(泊まろうとしたら閉鎖されていたので残念)。そのホテルから、埼京線や東京メトロなど、日本で活躍した鉄道車両も走っているジャカルタ首都圏鉄道の最寄り駅まで歩く途中の路上に、1977年から1985年まで日本でラインアップされていた2代目トヨタ・ハイエースが3~4台ほど、いつも駐車されているのだが、現役で仕事で使っている様子でありながらもきれいに使われていた。
また、そのホテルからギリギリ徒歩圏となる場所に、GIIAS(ガイキンド・インドネシア国際オートショー)の会場があるのだが、その近くに自動車整備工場が密集している地域があるのだが、そこを歩いていると懐かしい日本車に多く遭遇することができる。
このような傾向はインドネシアだけではない。タイの首都バンコクでも、趣味やコレクター的に旧車を持つ人がおり、きれいに乗っている旧車に街で出会うことが多い。
アメリカでは、走行距離が40万km以上となり、サスペンションが抜け、ドアも内側からしか開閉できなくなった状態でも元気に走る日本車に乗せてもらったことがある。日本車はそもそも、高品質で故障が少ないといわれるが、さらに細かく手を入れてメンテナンスをしていれば、数十年経っても元気に走ってくれるということを、まさに東南アジアを中心に海外に行くと実感させられる。
ちなみに高温多湿の東南アジアでは、日本車以外でも一般的に高温多湿に弱いと日本でもいわれていたころの欧州車も元気に走っている。自分でメンテナンスするというだけでなく、それをバックアップするようなショップの存在などが、日本車だけでなく輸入車も元気に走らせているのかもしれない。