突如「メディア対抗ロードスター4時間耐久レース」へ参戦の指令! 「国内Aライセンス」取得に若手編集部員が挑戦してみた (2/3ページ)

会場についたらまず車両の準備から!

 筆者はクルマを見て触るのも好きだが、走るのはもっと大好きなクルマバカである。なので、「4耐を走れ」という指令はあまりにも急である一方で、じつはうれしいプラスな指令だ。しかし、本番まであまりにも時間がない! とにかくライセンス取得を急がねばならない。

 では、第一の関門である「どうしたらライセンスを取れるのか?」であるが、これはJAFのモータースポーツに関するページを開くと、日本各地で開かれているライセンス講習会を簡単に探すことができる。

 そして、レースを走るのに必要なAライセンスを取るには、原則として先にBライセンスを持っておく必要がある(講習によってはBからAまで一気に1日で取得できる)。今回、筆者がお世話になったのは、ライセンス講習会を数多く開催している老舗クラブである「クレバーレーシング」さんの講習会をチョイス。なお、申し込みはJAFを経由せず、サイトに記載されているクラブ宛の電話やメールを介して行う。

 今回、あまりにも強行日程ではあるが、Aライセンス講習会の前の週にBライセンスの講習会が幸いにもあったので、正攻法で通常通りBライセンスから取ることにした。

 Bライセンスの取得は”超”がつくほど簡単。講習代(クラブによって異なるが、費用は8000〜1万円程度、JAFの入会金は別途必要)を支払い、講習代に含まれている、JAFが発行する「モータースポーツハンドブック」を見ながら、2時間程度モータースポーツのルールやマナーを聞くだけ。これで取得完了だ。試験などは一切ない。質問事項は、講習が終わったあとか、参加人数にもよるがその都度聞けばOKだ。ちなみに、最近はコロナ禍の影響もあって、オンラインでの受講も可能となっている。

 講習が終われば、JAF公認の「サーキットトライアル」「ダートトライアル」「ラリー(全日本ラリーも出られる!)」「ジムカーナ」に出場できる資格が手に入る。クルマ好きなら持っていて損はないはず。なんとなく強そうな響きなので、持ってるだけでもちょっとだけ自慢できるかも!? ついでに、審判員の資格も追い金を払う形で一緒に取れることもできる。

 さて、簡単に入門編であるBライセンスの取得までの流れを説明したところで、ここからが本題の「Aライセンス」の取得だ。この試験は、命懸けであるレースをやるために必要な資格ということもあり、”試験”がある。それも、筆記(○×形式)と実技(走行)と本格的な内容である。時間も、朝9時頃から夕方17時くらいまでと丸1日かかる。遊び半分で受けるにはハードな内容なのだ。なお、取得費用はクラブによるが、3万〜4万円前後が多いとのこと。

 ちなみに筆者、教習所の卒検と免許センターでの筆記試験を1回ずつ落ちている文字どおりボンクラ。こんな奴が受けて大丈夫なのだろうか!? しかし、意地でも受からないとCARトップ&WEB CARTOPチームの皆勤賞が途絶え、間違いなく会社での居場所がなくなってしまう。万が一に備え、ATMで”賄賂”を下ろしておこうかと道中本気で考えたのは内緒だ。

 参加受付ではとくに特別なことはなく、ライセンスや免許証の確認をして終了。このときは、Bライセンスの講習会が先週だったこともあり、紙でできた仮ライセンスで受付した。樹脂製のカードでできている、正式ライセンスの発行には3週間ほどかかるとのこと。

 受付後は、実技に備えてクルマの準備をする必要がある。先ず、受付で配られたゼッケンを「ボンネット」「ドア左右」にテープで貼る。養生テープがオススメなので、当日は持参しよう。筆者はボンクラなので、クルマ1台分貼れる量の養生テープがないことがその場で発覚し、ビニールテープで代用した。

 その後、バッテリー端子のプラス側を養生する。これは、万が一事故が起きた際のショート防止のためだ。ショートすると、場合によっては火災につながる恐れがある。その後、オイルフィラーキャップやレベルゲージなどがちゃんと締まっているか、刺さっているか確認しよう。できればワイヤーなどでロックするのがベスト。コース上にオイルを撒いてしまうと、まわりに迷惑がかかるだけでなく、コースの清掃代も発生するからだ(なかなか高額!)。

 サーキットを走るので、車内の掃除も忘れないようにしておこう。普段は積んでいても問題ないが、ドリンクホルダーや工具、ペットボトルなどは下ろしておく。1番は家で前もって片付けてくることだ。

 CARトップ恒例の筑波アタックではお馴染みなのだが、フロアマットも運転席側は外しておこう。ロックやストッパーががついていることが多いが、ズレると事故の元なので、サーキット走行時は外すのが正解。

 タイムも計測するので、貸し出されたトランスポンダーを右のドアポケットに入れ、タオルなどでずれないようにしっかり固定する。これは筑波サーキットの場合なので、ほかのサーキットでは、トランスポンダーの位置が異なる可能性がある。その都度確認しよう。

 それと、ホイールのトルクチェックもしておきたい。これは街なかを走る際も定期的にやるべき作業だが、一般公道以上に負荷がかかるサーキットを走るので、さらに念入りに行っておきたい。

 人間側の装備は「長袖長ズボン」「ヘルメット」「グローブ」だ。FIA公認の高価なものである必要はなく、走行会で遊ぶレベルの装備で大丈夫だ。当たり前だが、ヘルメットはバイク用の半キャップや工事用のモノはNG。せっかくならクルマ用がベストだが、高価なのでバイク用でもいいだろう。女性であれば、化粧をしていても汚れづらいジェットタイプもオススメだ。

 最後に、準備が終わったらクラブ側のスタッフを呼び、簡単な車検をしてもらう。合格をもらったらゼッケンに車検合格の”証拠”となるステッカーを貼ってもらい出走準備完了だ。


WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

編集者

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