この記事をまとめると
■アメリカではテスラのスーパーチャージャーが事実上の統一規格となるなどEVシフトが急進している
■IRA制定によりアメリカ国内でのEV生産設備やEV関連部品の調達に対する投資が拡大している
■欧州でも2035年までに新車100%ZEV化を目指す「フィット・フォー55」により人々の意識が変わり始めている
テスラが走る西海岸の風景がそのままアメリカの風景へと変わった
アメリカでは、急速充電でテスラが推奨するNACS(ノース・アメリカン・チャージング・スタンダード)の普及が一気に進み始めた。フォード、GMに次いで、日系メーカーでは日産やホンダがNACSへの対応を発表している。
こうしたニュースがアメリカから日本に流れてくると、アメリカではEVシフトが一気に進んでいるような印象を受ける。実際のところ、どうなのだろうか?
確かに、近年のアメリカは各地でテスラをよく見かけるようになった。
2010年代中盤から後半には、西海岸で「モデルS」や「モデルX」が増えていき、そこに「モデル3」と「モデルY」が加わったというのが、街の風景の変化だった。それが全米各地に広がっていき、多くのアメリカ人のテスラに対する意識が、「EV専業の特殊なブランド」という意識から「普通のクルマ」というイメージに変わっていった。
アメリカでEVといえば、2010年代から日産「リーフ」が着実に広がったものの、その他ではテスラの存在が目立つだけで、フォードやGMのEVはまだまだ限定的な存在である。
ただし、2021年8月、将来の電動化比率を引き上げる大統領令をバイデン大統領が発令してから、アメリカ人の多くが「近い将来、自分もEVを買うことになりそうだ」という心づもりを持つようになったのではないだろうか。