この記事をまとめると
■一般公道に駐車したクルマを洗車する行為を見かける
■公道では荷物の積みおろしなど5分を超える長時間の駐車は道交法違反とされている
■仮に洗車する行為を見かけても自ら注意はせずに警察へ通報するのが無難
駐車禁止場所であれば当然違法性がある
一般公道に駐車して、洗車をしているユーザーを見かけることがある。これは法的に問題はないのか。
駐車禁止場所では問題になりそうだ。道路交通法の第1章・第2条・18項によると、駐車は「車両等が継続的に停止すること」とされている。また車両が停止して、ドライバーが車両から離れ、直ちに運転できない状態も駐車としている。
ただし例外もあり、貨物の積み降ろしや乗降のための5分を超えない停止は、駐車ではないことになっている。
つまり車両が路上に止まっている状態で、ドライバーが不在になって発進できない時は、経過時間を問わず駐車になる。たとえば銀行の前の駐車禁止場所に車両を停止させ、入金のために銀行に入ったとする。この時には乗員が車両から離れるため、停車から3分後に車両に戻っても、駐車したことになってしまう。駐車禁止場所であれば駐車違反だ。
またドライバーがクルマの周辺にいても、貨物の積み降ろしや乗降のための5分を超えた場合は駐車に該当する。ドライバーが車両の内部やそばに居ても、長時間にわたり駐車して良いことにはならない。
たとえば運転中に急に眠くなり、路上に駐車して仮眠を取ったとする。合法的に休憩できる場所を探して運転を続けるよりも、路上に駐車して仮眠した方が、事故防止の観点からは好ましい。従って迷わずに駐車して仮眠すべきだが、その緊急性を除いて考えれば、駐車違反になるわけだ。
そうなると一般公道に車両を長時間停止させると違法になるから、洗車をする場合も同様だ。しかしフロントウインドウの汚れた車両に乗車中、雨が降り始めて前方視界が悪化して、短時間でウインドウを拭く程度なら違法ではない。ウインドウの清掃は、貨物の積み降ろしや乗り降りとは違うが、5分を超えない車両の停止なら、それに準じた安全運転に必要な行為と考えられる。
問題は公道に車両を長時間停止させて、洗車をしているユーザーを見かけた時にどうすべきかだ。
まず自分で注意するのは避けた方が無難だ。トラブルに発展する心配がある。所轄の警察署に通報するのが好ましい。
また公道でもほとんど車両や歩行者の通行がなく、誰にも迷惑を掛けず、洗車中に人が通り掛かると「すみませんね、ウチは駐車場が狭いもので……」などと気を使っている時は、そのまま洗車させても良いだろう。人や自然を含めたさまざまな環境に悪い影響を与えるのか、問題はないのか、柔軟に判断したい。