この記事をまとめると
■アルピーヌは2023年シーズンのFIA世界耐久選手権LMP2クラスに参戦中
■2024年シーズンからはハイパーカークラスにアルピーヌはA424を投入する
■アルピーヌのチーム代表を務めるフィリップ・シノーに新マシンのフィーリングを聞いた
マシンはまったくの別モノながら懸念はなし
今シーズンのFIA世界耐久選手権のハイパーカークラスでは、カテゴリー設立初年度から参戦するトヨタのほか、プジョー、フェラーリ、ポルシェ、キャデラック、ヴァンウォール、グリッケンハウス(富士大会は欠場)と多くの自動車メーカーが参戦。さらに、2024年シーズンからは、BMW、ランボルギーニ、そしてアルピーヌの3メーカーが仲間入りを果たすことが決定している。来シーズンのWEC最高峰クラスは、今年以上にヒートアップすることになるだろう。
なかでもアルピーヌは、すでに今年のLMP2クラスにエントリー。ハイパーカークラス参戦に向けて、実戦の場でスキルを磨いている。同時にLMP2クラスに携わっているメンバーたちが、来シーズンWECを戦うマシンの製作にも絡んでいるという。
「A424」と名づけられた来シーズンから導入されるマシンは、レーシングコンストラクターのオレカが手がけたLMDh規定のシャーシをベースに、メカクローム社との共同開発で誕生した3.4リッターV6シングルターボを搭載する。このパワートレインは、アルピーヌF1チームのファクトリーで製造。つまり、F1のフィールドで培ったノウハウが詰め込まれているのだ。
8月上旬には、フランスのポール・リカールでシェイクダウンを実施。初走行を終えて、マシンのフィーリングはどうだったのか、WEC富士6時間レースが行われた富士スピードウェイで、チーム代表を務めるフィリップ・シノーに話をうかがった。
「今回のテストプログラムは、マシンの基本的な動作確認とロングランを中心に行いました。あくまでシェイクダウンだったので、パフォーマンスは重視していません。これから煮詰めていきます。すでに参戦しているマニファクチャラーとは3年遅れてのデビューとなりますが、ポジティブに捉えるとまだまだ新しいカテゴリーです。もちろん参戦するからには勝ちたいですが、初年度から勝てるほど甘くないのもわかっています。そんな強豪なライバルたちと一緒に戦うのは非常にチャレンジングですが、決して焦らずにマシンの開発を進めていきたいと思います」
今シーズンはLMP2クラスにエントリーしているアルピーヌ。LMP2のマシンもハイパーカーと同様のプロトタイプカーだが、違いはどのくらいあるのだろうか。
「LMP2がノンハイブリッドなのに対して、ハイパーカーはハイブリッドを搭載します。その関係で車両重量が重くなるので操縦性が大きく異なるほか、エネルギーマネジメントも必要になります。マシン自体はまったくの別モノですが、ラップタイムが極端に速くなるわけではないので、懸念はしていません」
アルピーヌは2024年シーズン、2台のA424をハイパーカークラスに導入するとのこと。ドライバーラインアップに関しては、近日中にアナウンスがなされる予定だ。