この記事をまとめると
■政府は2030年までにEVの充電器の設置目標を15万基から30万口に変更した
■仮に30万口の充電コネクターが整備されればある程度の利便性は確保できそう
■政府や地方自治体は充電器設置数だけでなく電力網の再構築も視野に入れた政策を実施してもらいたい
設置目標数値が15万基から30万口に変更
政府は、電気自動車(EV)普及のため、充電器の設置目標をこれまでの2倍にあたる30万口にする方針を固めたという。2年前のグリーン成長戦略で、政府は2030年までに充電器を15万基整備する目標を掲げた。これを、同年までに30万口にする。
これはしかし、単純に2倍の基盤整備になるかというと、数字の後に付く「基」か「口」かによって、意味が若干違ってくる。
基といった場合、充電器そのものの数を示す。一方、口とした場合は、充電コネクターの数になる。たとえば、充電器に複数のコネクターを持つ形式であれば、充電器は1基であっても接続コネクターの口数は複数口になる。
結果的に、充電できるEVの台数はほぼ変わらないともいえるが、充電器の設置基数で語った場合、複数口の充電器を前提とした目標であるとするなら、今回の変更は充電口としての基盤整備が後退するといえなくもない。
一方、充電器1基にコネクターがひとつという機器を前提とするのであれば、口数は満たされることになり、充電器の数を減らしても充電できるEVの台数が同じと考えるなら、充電器設置の数を減らすことによる原価低減の効果が得られる。