傾けているのは自分にとって利益があるから
考察その2:楽な姿勢で運転したいから
こちらの考察は、20年以上前に地元の友人に聞いた話になるんですが、その友人の知り合いに、「VIPカー(2代目マジェスタ)」を「ころがしていた」人がいて、その人が上のママさんと同じように大きく左下がりにしていたんだそうなんです。それを発見して気になった友人が尋ねてみたところ、その理由のポイントがオーナーの乗車姿勢にあることがわかって納得したそうです。
その理由というのは、いわゆる「ソファー座り(ローカル呼び)」に都合が良い角度とのことでした。シートを深めにリクライニングさせて、センターコンソールのボックスに左肘を預けた姿勢が日常となっているオーナーさんが、ルームミラーが見えづらいことに気付き、いろいろ試した結果、自分の姿勢に合わせて斜めにするのがいちばん具合が良いとなったそうです。
その話は友人から半分笑い話として聞きましたが、試しに同じ姿勢になって検証してみたところ、「ああ確かに!」と納得したのを覚えています。
その話を聞いてから、厳ついクルマを見るとルームミラーに注目するようになってしまいましたが、自分の感覚で3割くらいがそうしていました。まぁ当時は後部の窓がほぼ真っ黒だったので、真横に並んだときに恐る恐る盗み見して確認したのも記憶にあります。
考察3:ナルシスト? 自分の顔をいつもチェックしていたい人たち
この考察については知人の話によるものではなく、調査して得られた結論になります。このケースのルームミラーの傾け方は、上記二例とは逆側に傾けた「右下がりスタイル」です。
なぜ右側に? 後方視界のことを考えるとむしろ運転の邪魔になりそうだけど? と考えてしまいますが、その発想では理由に辿り着けないかもしれません。なぜならその理由が「いつでも自分の姿を確認したいから」なんです。
SNSが身近にあって自身を発信者として生活しているいまどきの人にとっては、いついかなるときでもSNS上にその姿がアップされても大丈夫という状態でありたいと思っている人が多いそうで、それは運転中でも変わりません。
たしかに信号待ちで隣に並んだクルマを見たときに、ルームミラーを姿見にして「イケてるか?」を確認している若い人を見かけることが多くなった気がします。意外なことに男女問わずです。そんな彼、彼女らにとって、ルームミラーは後方確認と自分の姿確認のふたつの用途を兼ねるアイテムという扱いなのでしょう。自分の上半身が映るよう、右に傾けるのは必然なのです。
とまぁ、勝手な考察を進めながら、「いろんな使い方があるんだなあ」なんて、ルームミラーひとつ取っても想像していなかった使い方があるんだと気付けたことは収穫だったと思います。皆さんは左下げ派? それとも右下げ派? あるいはオーソドックスな水平派ですか?