令和の新車セールスマンは「納車時期予測」と「納車直後に次に乗り替えるクルマを受注」する技術が営業成績をわけていた! (2/2ページ)

令和のトップセールスには新たな技術が必要となった

 令和のできるセールススタッフの条件として、いかにざっくりでもお客にリアルな納車予定時期を案内できるかという技術が加わった。個々のセールススタッフは、当該車両についての自社が抱えるバックオーダーリストと消化(納車)予定や各月別の工場出荷予定台数など、販売促進に必要な情報を見ることができる。また、これとは別に個々の車種の受注状況(停止中か否かなど)も知ることができる。

 このような情報に加え、セールススタッフとして経験による“勘”も含めて総合判断して、「このモデルはいま生産が積極的に行われているので、注文をいただければ年内納車もいけそうです」と、より突っ込んだ納車予定時期の予想ができ、これがお客の背中を押して契約成立となりやすいようである。「ある程度の経験がないとなかなか判断できないことです。そのため、経験の少ない若手セールススタッフは漠然とした案内しかできないことも多く、苦戦しているとも聞きます」とは事情通。

 個々の情報を総合判断するのには、やはり長い現場経験による“自信”がないとできない。また、誰でもお客なら同様のことを行えるというわけでもない。長いつきあいで信頼関係があるお客だからこそ、ある程度突っ込んだ話もできるというもの。

 もうひとつの令和のできるセールススタッフの売り方は、納車後できるだけ速やかに次の新車の受注をもらえるかにあるようだ。10月発表予定ともされているクラウンスポーツも、新型アルファード&ヴェルファイア同様に発売前の予約受注は行わないとの情報が入っている。つまり、今後トヨタの新型車についてはどんなモデルかよくわからないなかでの受注活動は行われないことになるようだ。となると、“見える”モデルしか売らないことになるので、あとは納期との闘いとなる。

「少し前には初回車検がきたら、次の新車購入の案内をしていたようですが、最近では納車後1カ月や半年での無料点検時に案内するセールススタッフも目立ってきたようです。予定より納期が早まるというリスクもありますが、まずはエントリーしてもらわないと、お客にとってベストなタイミングでの納車はできないのが現状です。若手セールススタッフは遠慮してしまうようですが、そこを押し通せるかもセールススタッフの技量の見せどころとなっているようです。もちろん無理強いはしません、理解あるお客にだけアプローチしているようです」(事情通)。

 納期遅延車が多いとはいえ、自販連(日本自動車販売協会連合会)の出す単月締めの車名(通称名)別販売ランキングの上位にはトヨタ車がズラリと並んでいる。単に「人気車だからみんな納車を待っている」というわけではない。現場のセールススタッフが現実に対応した動きをしているからこそ売れているのである。納期がトヨタの人気車より早いという最大メリットがあるのに、他メーカーの人気モデルすらランキング上位になかなかはいってこないのはその現れのひとつといってもいいだろう。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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