大きくて重いSUVはゆったりカーの条件にもぴったり
クルマのゆったりとした乗り味は、サイズ、車重に左右されることもある。ある程度大きく重いクルマ、たとえばSUVが有利だ。「上質」をテーマに開発された最新の日産エクストレイルe-4ORCEはまさにそうで、電動駆動ならではの滑らかさと静かさある走行性能はもちろん、フロントシートのかけ心地の良さ、リヤダンパーに周波数感応式ダンパーを備えたフラット極まる乗り心地による快適度は特筆もの。ゆったりとした走り、スポーティな走り、アクティブな走りをシーンによって見事に両立できるのである。
同CMF-C/Dプラットフォームを採用する三菱アウトランダー(PHEV)も、エコモードでの走りは絶大なる安心感とゆったり感に包まれたものになる。
車重2トン近いセダンの燃料電池車=FCVである、ハンズオフドライブも可能なAdvanced Driveを備えた、トヨタMIRAIの乗り味も、まさにゆったり。とにかくフラットでしなやか。欧州の高級車と比較しても遜色のない高級感とおおらかな快適感溢れる乗り味を提供してくれる1台だ。
比較的手ごろな価格の輸入車では、やはりフランス車、それも旧来のフランス車のあの乗り味を残すシトロエンC3エアクロス、そしてゆったりのんびり走る楽しさを存分に味わえる超ユーティリティカーのルノー・カングーがある。
最新モデルのカングーは、ルノー、日産、三菱のアライアンスで開発したミドルクラス用CMF-C/Dプラットフォームを新採用。すでに取り上げた日産エクストレイルを始め、三菱アウトランダーなどにも使われるもので、先代に比べ走りのしっかり感、先進運転支援システムの充実度こそ一気に強まったものの、ドライブフィールは出足からもう感動モノ。
軽々として扱いやすいアクセルペダルの踏み込み加減によるコントロール性の良さ、先代とは一線を画す走りやすさと気持ちのいい軽快感溢れる、良路ではまるで滑走するような走行性能の洗練度、カングーのキャラクターとして十分以上の動力性能、車内の静かさ、それらがもたらす爽快かつ心地よいドライビングフィールをもたらしてくれるのだ。
とくにディーゼルターボエンジンに対して90kg軽い車重、鼻先の軽さある、筆者のお薦めでもあるガソリンターボモデルでその印象が強い。