伝説のアルファロメオの姿そのまんまじゃん! 現代に蘇った3億円の「33ストラダーレ」は33台すべて売り切れ (2/2ページ)

車名にちなんだ33台の限定発売ですでに完売

 左右のドアを開くと視界に飛び込んでくるコクピットは、シンプルなデザインではあるが機能性の面ではその魅力は大きそうだ。ステアリングホイールのスポークやダッシュボード、そしてセンターコンソールやスイッチ類はアルミニウム製で、それぞれのデザインもじつに凝ったものとなっている。さらにカーボンとアルカンターラといった素材を組み合わせることで、キャビンも現代の最新技術によって設計されたものであることを物語る。

 だがその一方で、この33ストラダーレを製作するために組織されたチーム、「ボッテガ」では、1960年代に実際に行われていた製作方式を踏襲することにも留意。新しさと1960年代のノスタルジックな雰囲気が巧みに調和したキャビン、さらにはボディを作り上げることに成功したのだ。

 1960年代には、かのカルロ・キティが設計した2リッターのV型8気筒エンジンを6速MTと組み合わせてミッドに搭載した33ストラダーレだが、現代版のそれはふたつのパワーユニットからの選択が可能だ。ひとつは3リッターのV型6気筒ツインターボ+8速DCTで最高出力は650馬力。もうひとつはエレクトリック・モーターを用いるBEVで、最高出力は750馬力、最大航続距離は450kmとされている。

 注目の加速性能は、ガソリンエンジン仕様が3秒未満、BEV仕様では2.5秒未満というから、その数字には十分すぎるほどの説得力がある。

 シャシーにはダブルアームのアクティブサスペンションを装備。ドライブ・モードには「ストラーダ」(オンロード)と「ピスタ」(サーキット)が設定される。ブレーキはブレンボがアルファロメオのために専用開発したカーボンセラミック・ブレーキを装備する。

 新型33ストラダーレは、その車名にちなんで33台のみが限定生産される計画だ。価格は邦貨にして約3億円に相当するというが、すでにその全車は売却済みだという。ハイパーカービジネスの勢いは、まだまだ衰えを知らない。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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